白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

2016-01-01から1年間の記事一覧

2016年仕事納め

白澤社は今日が仕事納めです。 明日から年明け1月3日まで、年末年始のお休みとなります。 2017年1月4日から平常通りに営業いたします。 今年は、下記の四点の単行本を刊行いたしました。 『よい教育とはなにか』 [書名] よい教育とはなにか [副題…

戸隠・宮本旅館蔵「白澤避怪図」

先週、信州戸隠・宮本旅館にうかがい「白澤避怪図」を見せていただきました 小社社名の「白澤社」は「なんて読むんですか?」とよく尋ねられます。 「はくたくしゃ」と読みますとお答えすると、次に聞かれるのは「白澤ってなんですか?」です。 白澤とは中国…

「出版ニュース」で『近代日本公娼制の政治過程』紹介

「出版ニュース」11月中旬号で、関口すみ子著『近代日本公娼制の政治過程――「新しい男」をめぐる攻防・佐々城豊寿・岸田俊子・山川菊栄』が紹介されました。 記事は、本書の第一章冒頭の文章の引用から始まっています。 公娼制は決して日本政治の末端の問…

平和力フォーラム横浜/時代に挑む思考――高橋哲哉氏に聞く

小社刊『反・哲学入門』、『憲法のポリティカ』(岡野八代氏との共著)などの著者である哲学者・高橋哲哉さんの登壇するイベントのご案内をいただいたので、ここにご紹介します。 平和力フォーラム横浜/時代に挑む思考――高橋哲哉氏に聞く 会場は、横浜市港…

岡野八代さんが『近代日本公娼制の政治過程』(関口すみ子著)を推薦!

小社新刊『近代日本公娼制の政治過程――「新しい男」をめぐる攻防・佐々城豊寿・岸田俊子・山川菊栄』(関口すみ子著)について、気鋭の政治学者、岡野八代さんがご自身のツイッターで推薦してくださいました。 たいへんうれしかったので、ツイッターをご覧に…

ビースタ『よい教育とはなにか』二刷出来

本日、品薄になっておりましたガート・ビースタ著、藤井啓之・玉木博章訳『よい教育とはなにか』の重版(二刷)が出来あがってまいりました。 これもご愛読いただいた読者の皆様のおかげです。 あつく御礼申し上げます。 また、本書は「出版ニュース」3月中…

第23回国際ブックフェア

日曜日に、東京ビックサイトで開催されていた第23回国際ブックフェアに行ってきました。 プラトン『ティマイオス/クリティアス』と『三木清『人生論ノート』を読む』でお世話になった岸見一郎さんの講演会に出席したあと、本会場へ。 会場の展示やイベン…

関口すみ子著『近代日本公娼制の政治過程』刊行

このたび白澤社では関口すみ子著『近代日本公娼制の政治過程――「新しい男」をめぐる攻防・佐々城豊寿・岸田俊子・山川菊栄』を刊行いたしました。 まもなく主要書店で発売となる予定です。 新刊 『近代日本公娼制の政治過程』 概要 [書 名]近代日本公娼制…

哲学者と公娼制

西日本新聞で『三木清『人生論ノート』を読む』が取り上げられました 2016/08/30付 西日本新聞夕刊の新刊紹介欄で、岸見一郎『三木清『人生論ノート』を読む』が取り上げられました。 http://www.nishinippon.co.jp/nlp/book_new/article/270923 1941年…

読者から――プラトン『ティマイオス/クリティアス』

残暑のなかにも少し秋めいた空気が感じられてホッと一息ついていた小社に、プラトン『ティマイオス/クリティアス』(岸見一郎訳)の読者からお便りをいただきました。 以前、『プラトン全集』版『ティマイオス』を所持していたのですが、処分してしまいまし…

読者から――『よい教育とはなにか』

暑い日が続きますね。 強い日射しにめげそうな気分を吹き飛ばしてくれるようなおたよりをいただきました。 小社刊『よい教育とはなにか』(G・ビースタ著/藤井啓之・玉木博章訳)を読んでくださった方からのお葉書です。 要旨をご紹介させていただきます。 …

オリンピックと三木清

リオ五輪も無事に終わって次のオリンピックは東京大会ですね。 次の大会が東京で催されることに決定したのは、とりわけ愉快なことだ。我が国民の誰も喜んでこの愉快な義務を負うであろう。それは確かに日本の獲得した權利であると共に日本に課せられた義務で…

『教育』で『よい教育とはなにか』が紹介されました

『教育』(2016年9月号)の書評欄に、ガート・ビースタ著、藤井啓之・玉木博章訳『よい教育とはなにか』の書評が掲載されました。 版元かもがわ出版さんの紹介ページはこちら↓ http://www.kamogawa.co.jp/kensaku/syoseki/ka/201609_848.html 評者は、神代健…

読者から

夏真っ盛りとなりました。 暑中お見舞い申し上げます。 小社刊、岸見一郎『三木清『人生論ノート』を読む』について広島県のS・Hさんから、読者通信を頂戴しました。 要旨をご紹介させていただきます。 岸見一郎先生を知ってから著作を追うようになりまし…

泣ける話は好きですか?──『人生論ノート』の言葉から5

転んだだけで泣いていた子どもの頃と違って、大人になると泣くことが少なくなりますね。 でも、○回泣けるなどと銘打った本や映画の宣伝を目にしますから、泣きたいという衝動は人にとって心惹かれるものなのでしょう。 三木清『人生論ノート』には、「泣きに…

嫉妬にかられたことはありますか?──『人生論ノート』の言葉から4

「嫉妬こそベーコンがいったように悪魔に最もふさわしい属性である。なぜなら嫉妬は狡猾に、闇の中で、善いものを害することに向って働くのが一般であるから。」 三木清『人生論ノート』の「嫉妬について」の冒頭の段落にある言葉です。 『三木清「人生論ノ…

他人からどう見られるか気になりますか?──『人生論ノート』の言葉から3

自分を実力以上に見せようとすることはありませんか? 人から軽んじられたくないし、ましてやバカにされたくはありませんから、ついつい、できる風を装ってみたり、知ったかぶりをしてしまったり。逆に、目の前の困難を乗りきるために、あえて虚勢をはったり…

どんなときに幸福だと感じますか?──『人生論ノート』の言葉から2

皆さんはどんなときに幸福だと感じますか? 私は、暑〜い夏になると無性にかき氷が食たくなるのですが、果物てんこ盛りのかき氷を食べたとき、幸せだな〜とつぶやいている自分がいます。でも、こんな幸せでいいのでしょうか。 三木清『人生論ノート』「幸福…

ひとの幸福に嫉妬をおぼえたことはありますか?――『人生論ノート』の言葉から1

幸せそうにしている人たちを見ると、なんだか「ムッ」とする、というようなことはありませんか。 かく言う私など小心者の凡人ですから、いけないと思いながらも「人の不幸は蜜の味」の方に軍配を上げてしまいそうで、内心おたおたしてしまいます。 他人の幸…

出典はどこ?――岸見一郎『三木清『人生論ノート』を読む』編集こぼれ話

岸見一郎さんと小社の編集作業はさながら読書会のようになりました。 学生時代にかえって『人生論ノート』を一段落ずつ読んでは、この文章の意図はなにか?文脈は?背景は?と議論し、三木の文章に感心したり閉口したりしながら、たいへん楽しい時間を過ごし…

シティズンシップと三木清

参院選の投票日が近づいて街がにぎやかですね。 ましてや今回の選挙は、18歳19歳の青年層がはじめて投票に参加するとあって、その動向が注目され、小社刊『シティズンシップの教育思想』の著者・小玉重夫さんも「主権者教育の第一人者」として新聞にコメント…

注を付けた理由――岸見一郎『三木清『人生論ノート』を読む』編集こぼれ話

前回は、三木清『人生論ノート』の成立と構成について簡単にメモしましたが、わざわざこんな基本的なことを書き出したのにはわけがあります。 三木清論は何冊も出されているのに『人生論ノート』について詳しくふれた本が見あたらず、「旅について」の初出が…

『人生論ノート』の成立と構成――岸見一郎『三木清『人生論ノート』を読む』編集こぼれ話

三木清『人生論ノート』は「死について」から「個性について」まで23編のエッセイがおさめられています。それぞれのテーマは習慣、虚栄、怒り、孤独、嫉妬、噂、健康、偽善など、いずれも文庫本で数ページの短いものですが、圧縮された表現で人生の断面を描…

いま何ページ目?――岸見一郎『三木清『人生論ノート』を読む』編集こぼれ話

「どうですか?」 「いいですね、やりましょう!」 即決で三木清『人生論ノート』に取り組むことになった岸見一郎さんと小社は、さっそく『人生論ノート』の本文の検討をはじめました。 この打ち合わせは、三木清の文章を一段落ごとに読み上げながら行なわれ…

企画決定まで

前回に続き、新刊・岸見一郎著『三木清『人生論ノート』を読む』の編集こぼれ話です。 さて、岸見一郎さんと小社のあいだで、どのような議論があって三木清『人生論ノート』をとりあげることに決まったのか。 ここに紆余曲折や思わぬ偶然の一つもあれば面白…

なぜ『人生論ノート』を取り上げたのか

新刊・岸見一郎著『三木清『人生論ノート』を読む』の編集こぼれ話です。 今回の話題は、なぜ『人生論ノート』を取り上げたのか。 プラトンの翻訳をお願いした岸見一郎さんと、次は三木清をとりあげましょうという相談がまとまり、うちあわせのために京都に…

なぜ三木清か

しばらくのあいだ、新刊『三木清『人生論ノート』を読む』の刊行を記念して、編集こぼれ話を続けます。 最初の話題はやっぱりこれでしょうか。 なぜ三木清か。 もう少し詳しくいうと、なぜアドラー心理学で有名な岸見一郎さんに哲学者・三木清を論じる本のご…

グローバリゼーションと三木清

先週末からマスメディアはイギリスのEU離脱のニュースでもちきりですね。 今日のニュースでは、アメリカの大統領候補の一人が自分が当選したらTPPから離脱すると表明したそうです。 自由主義の発達による世界市場の形成によって圧迫された国民の立場に…

東京新聞に広告を出しました

今日の東京新聞朝刊に広告を出しました。 掲載したのは次の三冊についてです。 ・岸見一郎著『三木清『人生論ノート』を読む』 ・子安宣邦著『歎異抄と現代』 ・プラトン『ティマイオス/クリティアス』(岸見一郎訳) 共通テーマは、古典を読む、のつもりで…

岸見一郎著『三木清『人生論ノート』を読む』刊行

このたび白澤社では岸見一郎著『三木清『人生論ノート』を読む』を刊行いたしました。 『嫌われる勇気』の哲人による哲学入門です。 まもなく主要書店で発売となる予定です。 新刊 『三木清『人生論ノート』を読む』 概要 [書 名]三木清『人生論ノート』を…