2015-01-01から1年間の記事一覧
年賀状を出してしまいさえすれば、白澤社は仕事納めです。 年明けは1月4日が白澤社の仕事はじめとなります。 今年、白澤社では、下記の四点の単行本を刊行いたしました。 『「慰安婦」問題の本質』 [書 名]「慰安婦」問題の本質 [副 題]公娼制度と日本人…
今日はクリスマスですね。 日本ではクリスマス・イブの方がにぎやかに祝われますが、クリスマスといえば今日、12月25日です。 というわけで、シモーヌ・ヴェイユ『前キリスト教的直観』(今村純子訳・法政大学出版局)から、プラトン『ティマイオス』に…
前回の記事の終わりでグノーシス思想についてちょっとふれました。 http://d.hatena.ne.jp/hakutakusha/20151218/1450437758 プラトン『ティマイオス/クリティアス』と浅からぬ因縁をもつグノーシス思想についての研究の記念碑的著作である、ハンス・ヨナス…
「沈黙の夕べ、とは?」 「部落の古いしきたりです。祖先を想い出す夕べ、とも申しましょうか」 「祖先を想い出す、ふうむ。それはよいことだ。とくにこの部落ではそうであろう。祖先からのいい伝えにはしばしば真理がかくされてあるもの。沈黙の夕べとはま…
プラトンの西方への旅の従者であり、またプラトンに影形ともなった私設秘書でもあるグラディウスは、晩年をカルタゴのビスクラで人目を忍ぶように送った。彼は酒に酔ってしばしば人に語った。自分は古代ギリシャの神話の英雄アトラスを見た、と。アトラスは…
「小説推理」2015年12月特大号の「今月のベスト・ブック・幻想と怪奇」欄で、小社刊『皿屋敷――幽霊お菊と皿と井戸』が取り上げられました。 「小説推理」さんのサイト↓ http://www.futabasha.co.jp/magazine/suiri.html 執筆は『幽』編集長としてご活躍の東…
このとき、プラトンははっきりと、明日は西へ向って旅立とうと思った。彼はむしょうに一人になりたかった。はるかな西、ポセイドンの海のただなかに在ったという、〈神の怒りに触れた〉大陸が、彼自身の故郷であるかのように切なかった。 光瀬龍『百億の昼と…
寄せてはかえし 寄せてはかえし かえしては寄せる波の音は、何億年ものほとんど永劫にちかいむかしからこの世界をどよもしていた。 それはひとときたりともやむことはなかったし、嵐の朝はそれなりに、なぎの夕べはそれらしくあるいははげしく、時におだやか…
オリオナエ? 誰だ、それは? 心の中で憂鬱な問いが湧き上ってきたが、つぎの瞬間には、 ああ、そうだ。おれのことなのだな。プラトンは心の中でうなずいた。 少し疲れているな――プラトンは自分の足が他人のそれのように感覚が失われているのが妙にもどかし…
「……賢者ソロンの遠戚、アテーナイに名だたる名門……アリストンさまの……プラトンさま……私めが所蔵いたす……」 そんな言葉が切れ切れに彼の耳にとどいてきた。彼は気ぜわしく二、三度うなずきかえすと、もう聞くのをやめて周囲の暗闇を見まわした。(中略) ふ…
新星雲紀。双太陽青九三より黄一七の夏。アスタータ五〇における惑星開発委員会は、〈シ〉の命を受け、アイ星域第三惑星にヘリオ・セス・ベータ型開発をこころみることになった。 これはファンなら暗誦できると言われている日本SFの傑作、光瀬龍『百億の昼…
小社刊『ティマイオス/クリティアス』の著者略歴の欄に、訳者岸見一郎さんとともに、原著者プラトンの紹介があることを面白がってくださる方がいらっしゃいました。 原作者不明または不詳というならともかく、『ティマイオス』と『クリティアス』はプラトン…
小社が岸見一郎さんを知ったのは、十年ほど前のことです。 もちろん岸見さんはそのころすでに『個人心理学講義 生きることの科学』(一光社)や『子どもの教育』(アルテ)などのアドラーの著作や本格的な評伝エドワード・ホフマン『アドラーの生涯』(金子…
このたび小社から刊行いたしましたプラトン『ティマイオス/クリティアス』について、なぜ岸見一郎さんが訳者なのか?というご質問をしばしばいただきます。 つまり、岸見一郎さんはベストセラーになった『嫌われる勇気』(古賀史健と共著、ダイヤモンド社)…
白澤社ではこのたびプラトン著/岸見一郎訳『ティマイオス/クリティアス』を刊行いたしました。 秋の夜長に、時おり星空を仰ぎながら読むのに最適の本です。古代ギリシアの叡智が語る壮大な自然哲学をご堪能ください。 新刊『ティマイオス/クリティアス』…
『皿屋敷』を置いてくださっている明屋書店中野ブロードウェイ店さんにご挨拶にうかがいました。 こちらのサブカル書コーナーには妖怪・オカルト関連本がぎっしり。 担当者さんの趣味のよさ、というか、すごさ(?)がうかがえます。 そのなかから見つけた面…
8月30日付信濃毎日新聞読書面で「江戸怪談を読む」シリーズ『皿屋敷―幽霊お菊と皿と井戸』が紹介されました。 同紙より該当箇所を引用いたします。 「一枚、二枚―」と皿を数える物悲しい声。10枚セットの皿を1枚割ったために、井戸に身を沈めるはめになった…
お盆休みも終わって、街に人が戻ってきた気配がします。 今夏、小社から刊行しました『皿屋敷──幽霊お菊と皿と井戸』の共著者、鷲羽大介さんが参加する怪談会が開かれるそうです。 しかも二回も! 日の近い方からご案内いたします。 8/23東北怪談同盟 怪談会…
以前にもご紹介した明屋書店中野ブロードウェイ店さんの新刊棚。 『皿屋敷──幽霊お菊と皿と井戸』にポップをつけてくださいました。 (7/31撮影、明屋書店中野ブロードウェイ店さんのご了解をいただいています。) こちらの棚では、新刊『皿屋敷』と並べて『…
昨晩は、神田神保町の東京堂書店さんで催された『皿屋敷──幽霊お菊と皿と井戸』(白澤社)刊行を記念イベント「怪談の夕べ「講談で聞く皿屋敷」」に大勢お越しいただき、まことにありがとうございました。 和装の方もいらっしゃって、もれなくご招待とさせて…
江戸怪談ファンの皆様こんばんは。 いよいよ明日7/30(木)は皿屋敷大会、神田神保町の東京堂書店さんのホールで「怪談の夕べ「講談で聞く皿屋敷」」が催されます。 まだお席に余裕があるそうですので、明晩、御用とお急ぎのない方は東京堂書店さんにお越…
気の早いネット古書店さんが定価の倍近いお値段をつけているのも見かける『皿屋敷――幽霊お菊と皿と井戸』ですが、今月の新刊です。ふつうに新刊書店さんで定価で販売されています。 写真は明屋書店中野ブロードウェイ店さんの新刊棚。 (撮影は明屋書店中野…
「江戸怪談を読む」シリーズ『皿屋敷――幽霊お菊と皿と井戸』が、7月22日付西日本新聞夕刊で紹介されました。 該当箇所を引用いたします。 講談「番町皿屋敷」のルーツとなった馬場文耕の「皿屋舗辨疑録(さらやしきべんぎろく)の原文と現代語訳を掲載。福岡…
前回お知らせしました通り、小社では「江戸怪談を読む」シリーズ『皿屋敷――幽霊お菊と皿と井戸』を刊行いたしました。 同書の刊行を記念して、来る7月30日、神田神保町の東京堂書店さんのホールで「怪談の夕べ「講談で聞く皿屋敷」」を催します。 和装で…
小社ではこのたび、「江戸怪談を読む」シリーズ『皿屋敷――幽霊お菊と皿と井戸』を刊行いたしました。 蒸し暑くて寝苦しい夜のおともに、怖くてかわいいお菊の物語はいかがでしょうか。 新刊『皿屋敷』概要 [書 名]〈江戸怪談を読む〉皿屋敷──幽霊お菊と皿…
高橋哲哉・岡野八代著『憲法のポリティカ』が、6月20日付沖縄タイムス紙の読書欄で紹介されました。 評者は法学者の高良沙哉さん(沖縄大学准教授)。 「未来を奪う力に対話で抗う」と題された高良さんの書評は、本書の特徴を次のように指摘しています。 改…
今週末の6/13土曜日、同志社大学にて、京都96条の会主催のイベント「第九回 憲法サロン」が開催されます。 小社刊『憲法のポリティカ』の共著者、岡野八代さんと高橋哲哉さんのリターンマッチです。 詳細は京都96条の会のサイトをご覧ください。↓ http:/…
先日、大学入試センターさんから厚めの封筒が届きました。 白澤社のメンバーにとって大学入試はもうン十年前の遠い思い出。 はてさて何でしょう?と封筒を開けてみると、公民の問題冊子とお手紙が入っていました。 なんと、小社刊『愛の労働あるいは依存とケ…
ゴールデンウィークはいかがお過ごしだったでしょうか。 さて、ブログ更新のタイミングとずれてしまって、ご案内が遅れましたが、藤目ゆき著『「慰安婦」問題の本質』があちこちでご紹介いただいています。 西日本新聞で新刊案内 2015年03月25日付西日本新聞…
来る5月3日の憲法記念日には、『憲法のポリティカ』の著者、岡野八代さんと高橋哲哉さんが、それぞれ講演されますのでお知らせします。 岡野八代さんの憲法記念日 岡野さんは、午前中はエル・おおさかで開かれる「2015 憲法記念日のつどい」で講演をする予定…