白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

プラトン『ティマイオス/クリティアス』三刷出来

本日、品薄になっておりましたプラトン著/岸見一郎訳『ティマイオス/クリティアス』の三刷が出来あがってまいりました。
本書は、2015年の刊行後、ご評判をいただき、17年に重版(二刷)し、それも昨年秋から品薄気味になっていました。
「せっかくの名著(奇書?)の新訳なのだから切らすな!」の声に励まされ、このたびついに三刷にいたりました。
これもご愛読いただいた読者の皆様のおかげです。あつく御礼申し上げます。
本書は、プラトン晩年の代表作の一つで、西田幾多郎(『場所・我と汝』岩波文庫)やJ・デリダ(『コーラ・プラトンの場』未来社)が注目したコーラー(場)の概念や、H・アーレント(『過去と未来の間』みすず書房)やH・ヨーナス(『生命の哲学』法政大学出版局)が言及したデーミウールゴスによる世界創造の記述を含む『ティマイオス』と、その未完の続編でアトランティスの伝説で有名な『クリティアス』の新訳です。
なお『ティマイオス/クリティアス』は、一部のネット古書店で定価を上回る高値がついておりますが、同書は新刊書店さんで定価で購入できます。
現在、在庫は十分にありますので、店頭に見あたらなければ書店さんを通してご注文下さい。

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バレンタインに江戸怪談を

今日はバレンタインデーですね。
プレゼントには定番のチョコもいいですが、本もすてきな贈り物になります。
 小社の新刊『新選百物語――吉文字屋怪談本 翻刻・現代語訳』(監修=篠原進/翻刻・注・現代語訳=岡島由佳/コラム=堤邦彦・近藤瑞木)はいかがでしょうか。
カバー絵の行灯にともる小さな炎がハートウォーミングに見えませんか?

 

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※小社ではチョコレートは扱っておりません(写真は見本です)。


そもそも江戸怪談には愛をこじらせたお話が多いのです。
先日、東雅夫さんが『小説推理』3月号(双葉社)で『新選百物語』を紹介してくださったときに、ラフカディオ・ハーンによって作品化されたとして挙げられた「嫉妬にまさる梵字の功力」(ハーン「おかめのはなし」)も、「紫雲たな引蜜夫の玉章」(ハーン「葬られた秘密」)も、愛をこじらせたお話です。
『新選百物語――吉文字屋怪談本 翻刻・現代語訳』は、全国の主要書店で好評発売中です。
上級者向けには、小社〈江戸怪談を読む〉叢書の一冊『実録四谷怪談――現代語訳『四ツ谷雑談集』』もおすすめ。
愛を裏切った夫と関係者全員を十数年にわたり祟り続けたお話です。素敵ですね。
新宿区四谷左門町に今もある於岩稲荷田宮神社は、浮気封じの神様として信仰されたそうです。

東雅夫氏『小説推理』3月号で『新選百物語』紹介

『小説推理』3月号(双葉社)で、東雅夫さんが『新選百物語―吉文字屋怪談本 翻刻・現代語訳』(監修=篠原進/翻刻・注・現代語訳=岡島由佳/コラム=堤邦彦・近藤瑞木)を紹介してくださいました。
版元双葉社さんによ『小説推理』のサイトはこちら↓
https://www.futabasha.co.jp/magazine/suiri.html
同誌の「今月のこの一冊・幻想と怪奇」欄です。
該当箇所を抜粋させていただきます。

 


(『芥川龍之介英米怪異・幻想譚』岩波書店の紹介に続けて)芥川と英米文学の関わりを考えるときに看過できないのが東大英文科の学統だが、その礎を築いたひとりというべき小泉八雲ことラフカディオ・ハーンが架蔵していた百物語怪談本として(一部では)有名な『新選百物語』が、岡島由佳による註と現代語訳(篠原進監修)、さらには堤邦彦、近藤瑞木のコラムも添えて、このほど白澤社(発売は現代書館)から上梓された。数ある百物語本の中でも、これまで本格的な紹介がなされてこなかった書目だけに、嬉しい企画である。
 ハーンは本書所収の「嫉妬にまさる梵字の功力」から「おかめのはなし」を、「紫雲たな引蜜夫の玉章」から「葬られた秘密」を、それぞれ自分流に作品化している。特に前者をハーン作品と読み較べてみると、興味深いことが分かるはずだ。亡妻の遺骸に僧が梵字を書く(耳なし芳一!)ところまでは同一だが、原典にはもうひと幕、夫が妻の遺体と一夜を明かすという恐怖ミッションが記されているのだ。こちらは同じくハーンの「死骸にまたがった男」さながらだが、同篇の原典は『新選百物語』ではなく『今昔物語』の「人妻成悪霊除其害陰陽師語」なのだった……中古から近世に至る怪異譚のカオスを目の当たりにする心地で興趣が尽きない。
 本書の各話の末尾には「類話」として、内容の近似する説話や作品が博捜され掲げられている。これはまことにありがたい配慮で、この記載を手がかりに、右に一例を示したように、古典怪談の沃野へ縦横に分け入ることができるのである。(『小説推理3月号』191頁より)

 


ていねいにご紹介いただき、ありがとうございました。
実は、この『新選百物語』を翻刻してみたら…と思いついたのは、東雅夫さんの『百物語の百怪』(現在は改題して『百物語の怪談史』角川ソフィア文庫)の『新選百物語』の項に「活字本は刊行されていない。」とあったからなのです。
そこで、読めない(読みにくい)ものを読めるようにして読者に提供することも出版の役割だと考えて『新選百物語』の翻刻を企画いたしました。
本書の企画のきっかけを作った東さんに「嬉しい企画である」と評価していただき、小社としてもうれしいかぎりです。
なお、東雅夫さんは、昨年末の『幽 30号―特集・平成怪談、総括!』の目玉企画「平成怪談文芸年表&『幽』の軌跡」でも、小社の〈江戸怪談を読む〉叢書を年表に加えてくださっています。あわせて御礼申し上げます。

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鴨鍋―『新選百物語』より

こう寒い日が続きますとやはり鍋物がありがたいですね。今夜の夕食に鴨鍋はいかがでしょうか。
『新選百物語』巻五の「鳬におどろく五人の悪者」に、権九郎という男が狐のくわえた鴨を横取りして「ねふかを求めて吸物こしらへ」とあるのをヒントに考えてみました。
鳬は鴨。「ねふか」は長ネギのことで、鴨といえばネギが欠かせません。
「吸物こしらへ」というからには、おそらく味噌や醤油は使わず、塩味のすまし汁に仕立てたのでしょう。
ネギをたくさん使った塩味の鶏鍋というイメージで作ってみました。

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・材料(分量はすべて「適量」ということで)
鴨肉(今回はロース薄切り肉を使いました)
長ネギ
鶏肉団子(鴨肉だけだと高くつくので、こっそり入れてあります)
白菜(江戸時代的には反則ですが、美味しいのでこっそり)
豆腐
舞茸(出汁を取るのに使いました)
昆布(同上)
椎茸(飾りです)
セリ(写真ではいろどりに春菊を使っていますがたぶんセリの方が合います)

・作り方
一、今回は煮込むので土鍋を使います。鍋に水をはり昆布と舞茸で出汁をとります。めんどくさい時は市販の白だしでもいいかもしれません。
二、沸騰したら鶏肉団子(鳥ブツでも可)と白菜、長ネギの白い部分を煮ます。
三、酒と塩で味付けしたら火を弱め、豆腐、椎茸、セリなどを入れ、そのうえに鴨肉を置いてひと煮立ちさせます。
四、仕上げに長ネギを入れて出来上がりです。

☆ワンポイント☆
写真では煮込む前なので鴨肉が生煮えですが、鴨肉からは味と脂が出ますからしっかり煮込んだほうが美味しいように思います。

狐から横取りした鴨を食べた権九郎たちがどうなったかは、『新選百物語―吉文字屋怪談本 翻刻・現代語訳』(監修=篠原進/翻刻・注・現代語訳=岡島由佳/コラム=堤邦彦・近藤瑞木)で読むことができます。

岸見一郎『三木清『人生論ノート』を読む』三刷出来

本日、品薄になっておりました岸見一郎著『三木清『人生論ノート』を読む』の三刷が出来あがってまいりました。
本書は、2016年の刊行後、NHKEテレ「100分de名著」で取り上げられるなどご好評を賜り、17年に増刷(二刷)し、それも昨年末から品薄気味になっていたため、年明け、ついに三刷にいたりました。
これもご愛読いただいた読者の皆様のおかげです。あつく御礼申し上げます。
なお、岸見一郎著『三木清『人生論ノート』を読む』は、一部のネット古書店で定価を上回る高値がついておりますが、同書は新刊書店さんで定価で購入できます。
現在、在庫は十分にありますので、店頭に見あたらなければ書店を通してご注文下さい。
同じ著者による姉妹編『希望について―続・三木清『人生論ノート』を読む』ともどもご愛読くださいますようお願い申し上げます。

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謹賀新年2019

あけましておめでとうございます。
白澤社は本日より通常通りの営業を始めました。
今年(2019)は亥年
猪突猛進せず、猪見て矢を引くことにもならないよう心がけてまいります。
さて、新年早々うれしいことがありました。
昨年12月に刊行した『新選百物語―吉文字屋怪談本 翻刻・現代語訳』(篠原進監修・岡島由佳翻刻・注・現代語訳)を、忘却散人さんのブログでご紹介いただきました。
忘却散人ブログ↓
http://bokyakusanjin.seesaa.net/article/463513911.html

 

百物語の翻刻は、藤川雅恵さんの『御伽百物語』に続いてで、ありがたい。堤邦彦さんと近藤瑞木さんという、近世怪談研究最前線のお二人がコラム執筆というのも贅沢。

 

ちなみに藤川雅恵さん編著の『御伽百物語』は、小社ではなく三弥井書店さんから刊行されています。

ところで、『新選百物語』の最後の話は挿絵のみ残されていて内容がはっきりわからないのですが、挿絵に添えられた詞書から推察するに、夫婦の再会、親子の再会を描く、たいへんおめでたい話だったようなのです。
お正月にピッタリの話題ですね。

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また、昨年10月に著者出演のテレビ番組が再放送されてご評判をいただき、品薄状態の続いていた『三木清『人生論ノート』を読む』(岸見一郎著)を重版いたします。

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白澤社は本年も、人文・社会のジャンルで出版活動に取り組みます。
どうかよろしくお願いいたします。

 

 

2018年仕事納め

白澤社は今日が仕事納めです。
明日から年明け1月6日まで、年末年始のお休みとなります。
2018年1月7日から平常通りに営業いたします。
今年は、下記の六点の単行本を刊行いたしました。

**『カントの政治哲学入門』
[書 名]カントの政治哲学入門
[副 題]政治における理念とは何か
[著 者]網谷壮介
[体 裁]四六判並製、208頁
[定 価]2000円+税

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信濃毎日新聞」紙、「法学セミナー」誌などでご紹介いただきました。

**『母の憶い、大待宵草』
[書 名]母の憶い、大待宵草──よき人々との出会い
[著 者]古川佳子/[跋]田中伸尚
[体 裁]四六判並製、256頁
[定 価]2600+税

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週刊金曜日」誌、「ウィメンズアクションネットワーク 」サイトhttps://wan.or.jp/article/show/8162などでご紹介いただきました。

**『統合失調症は回復します』
[書 名]統合失調症は回復します
[著 者]乾 達
[体 裁]四六判並製、208頁
[定 価]1800+税

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『元町医者の人生哲学』の著者・乾達先生による患者家族への励ましに満ちた一冊です。

**『牡丹灯籠』

[叢書名]〈江戸怪談を読む〉
[書 名]牡丹灯籠
[著 者]横山泰子・門脇大・今井秀和・斎藤喬・ほか
[体 裁]四六判並製、208頁
[定 価]2000円+税

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中外日報」紙、「西日本新聞」紙、「出版ニュース」誌でご紹介いただきました。
お披露目を兼ねて、深川お化け縁日にうかがったのも楽しい思い出でした。

 

**『教育勅語の戦後』
[書 名]教育勅語の戦後
[著 者]長谷川亮一
[体 裁]四六判並製、304頁
[定 価]3200円+税

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西日本新聞」紙、「出版ニュース」誌でご紹介いただきました。
ついでに某文科大臣閣下のお蔭で想定外のタイムリーな出版となりました。

**『新選百物語』
[書 名]新選百物語
[副 題]吉文字屋怪談本 翻刻・現代語訳
[著 者]監修=篠原進/翻刻・注・現代語訳=岡島由佳/コラム=堤邦彦・近藤瑞木

[体 裁]四六判並製、208頁
[定 価]2000円+税

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全文の翻刻・現代語訳の書籍化は今回が初めてという江戸時代の怪談集です。怖い話ばかりではなく、笑い話風のものや人情話風のものなど14話を収録。

**よいお年を!
政治哲学、エッセイ、医事評論、近世怪談、教育史とジャンルはさまざまですが、僭越ながら、今これが大事・今これが面白いと思うテーマに取り組んできたつもりです。
このほか、11月にはNHKEテレ「100分de名著」の「三木清『人生論ノート』」の回のアンコール放送があり、ゲスト講師として出演した岸見一郎さんの『三木清『人生論ノート』を読む』が再び脚光を浴び、ついにこの年末に在庫払底。重版することになりました。

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さて来年は、『三木清『人生論ノート』を読む』(岸見一郎著)の重版を皮切りに、今これが面白いと思う本の出版に精いっぱい取り組んでまいります。
それでは、よいお年をお迎えください。