白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

読者から――『よい教育とはなにか』

暑い日が続きますね。
強い日射しにめげそうな気分を吹き飛ばしてくれるようなおたよりをいただきました。

小社刊『よい教育とはなにか』(G・ビースタ著/藤井啓之・玉木博章訳)を読んでくださった方からのお葉書です。
要旨をご紹介させていただきます。

「能力形成主義」の視点を批判し、市民社会形成を目指すために必要な「よい教育」を根っこから考え直すよい材料となりました。
日々の仕事では、つい忘れてしまう「何のために私は教えるのか」というところを、もう一度考えさせられたことで、今後の授業づくりも変わりそうです。
現代的課題として「教育」を問いかけるイメージがわいてとてもよかったです。

学校の教員をなさっている方なのですね。
本書、ビースタ『よい教育とはなにか』は、神代健彦さんによる『教育』(2016年9月号)掲載の書評の言葉を借りれば、「J・デューイの民主主義と教育の理論を正統的に引き継ぐものであり(5章)、また秩序としての民主主義がもつ排除原理を超えようと試みる、J・ランシエールの新たな民主主義論と呼応する(6章)」ような理論書なのですが、それが現場の先生方の授業づくりのお役に立ったとすれば、こんなにうれしいことはありません。
ありがとうございました。