白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

『鬼滅の刃』にはまっています

営業担当は最近、『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴作、集英社)にはまっています。

版元・集英社さんの公式サイト↓

https://www.shonenjump.com/j/rensai/kimetsu.html

累計一億部を突破したというこの漫画の魅力については、もはや言葉を費やす必要もないでしょう。

物語の中で、とくに印象に残った場面を紹介します。

弱肉強食が自然の摂理だと傲慢に言い放つ宿敵・猗窩座(あかざ)に対して、主人公・竈門炭治郎は次のように説きます。

鬼滅の刃』148話(単行本第17巻)より抜粋します。

「お前の言ってることは全部間違ってる」

 

「お前が今そこに居ることがその証拠だよ」

 

「生まれた時は誰もが弱い赤子だ」「誰かに助けてもらわなきゃ生きられない」

 

「お前もそうだよ 猗窩座」「記憶にはないのかもしれないけれど赤ん坊の時お前は」「誰かに守られ助けられ今生きているんだ」

 

この漫画の魅力として炭治郎の優しさが挙げられることがあります。

上の場面では、人間はケアされる存在だという、今年四刷となりました小社刊『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』(エヴァ・フェダー・キテイ著、岡野八代・牟田和恵監訳)や、もうすぐ小社から刊行される『ケアするのは誰か?』(J・C・トロント著、岡野八代訳・著)にも通じる人間理解が表明されていて、炭治郎の優しさとはケアの精神に通じるものだなと感じ入った次第です。

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