白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

猛暑をしのぐ白澤社怪談本の決定版『新選百物語―吉文字屋怪談本 翻刻・現代語訳』

猛暑をしのぐ白澤社怪談本の〆はこれ、篠原進監修『新選百物語―吉文字屋怪談本 翻刻・現代語訳』(翻刻・注・現代語訳=岡島由佳)。

この『新選百物語』におさめられた怪異談は怖い話ばかりではなく、笑い話風のものや人情話風のものもあってバラエティに富んだ内容です。

また、題名と挿絵だけあって本文の欠けている最終話「国をへだてて二度の嫁入り」も、どんな話だったのだろうと想像してみると寝苦しい夜も暑さを忘れることができます。

全14話中の2話をラフカディオ・ハーンが翻案しているとはいえ、全文の翻刻・現代語訳の書籍化は今回が初めてという江戸時代の怪談集。堤邦彦さんと近藤瑞木さんのコラムも収録されていてたいへんお得。

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これまであまり知られてこなかった江戸怪談を原典から現代語訳して紹介するという小社の怪談本の決定版とも言える一冊です。
それなのに、〈江戸怪談を読む〉と銘打たれていないのはなぜ?
決してうっかり忘れたわけではありません。
実は、本書とは別に〈江戸怪談を読む〉叢書の一冊として「百物語」を企画しておりまして、それとダブることを避けるため、『新選百物語』は、〈江戸怪談を読む〉叢書のスピンアウトという位置づけにしたのでした。

 

『新選百物語』の書誌で旗は下記の通りです。
[書 名]新選百物語
[副 題]吉文字屋怪談本 翻刻・現代語訳
[著 者]監修=篠原進/翻刻・注・現代語訳=岡島由佳/コラム=堤邦彦・近藤瑞木
[体 裁]四六判並製、208頁
[定 価]2000円+税