怪異怪談研究会監修・一柳廣孝/大道晴香編著『怪異と遊ぶ』(青弓社)をご恵贈いただきましたのでご紹介します。
詳しい目次などは版元・青弓社さんの紹介ページ↓をご覧ください。
拝受してすぐにでもご紹介したかったのですが、なにぶん表紙カバーの装画が怖そうで手に取るのをためらっておりました。
そこで、カバーをとっちゃったらどうだろう?ポン、名案!と思ってカバーを外したらもっと怖かったという…。
恐る恐る頁を切ってみました。
大道さんによる巻頭の「はじめに」によれば、本書は「「遊び」を抜きに怪異を論じるのは難しい」ということに着目した「怪異に対する学術的アプローチの成果」であり、「文学をはじめ、民俗学、社会学、宗教学といった超領域の研究者が集う怪異怪談研究会のメンバー十人による執筆で、各々の専門性に基づき、“それぞれが”「遊び」という視座を意識したうえで、怪異を論じている」とのことです。
伊藤龍平さん執筆の第1章「幽霊に萌える、怪異で遊ぶ」を読みはじめましたが、面白いじゃないですか。実に面白い。
確かに皿屋敷のお菊ちゃんは「会いに行けるアイドル」的な側面があります(by飯倉義之さん)。そこに着目して恐怖と笑いの接近をベルクソン『笑い』を引きながら分析しています。たいへん興味深く読ませていただきました。
巻末には、気鋭の怪談作家・川奈まり子さんと編著者のお二人による鼎談も掲載されていて、こちらも読むのが楽しみです。