白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

新聞各紙で『異世界と転生の江戸』紹介続々

2020/2/16付 神奈川新聞の読書欄で、今井秀和著『異世界と転生の江戸―平田篤胤松浦静山』が紹介されました!
該当箇所を抜粋いたします。
 天狗にさらわれ宇宙にも外国にも行ったという寅吉、自分の前世を語った勝五郎。江戸後期にはこうした少年たちの怪異体験に心を寄せる知識人がいた。寅吉を弟子にして聞き書きを「仙境異聞」にまとめた平田篤胤、勝五郎の話を「甲子夜話」に収めた松浦静山が代表的だ。体験語りの中には、多くの海外知識が織り込まれていた。伝統と西洋が入り交じった異世界に、知識人たちが世界をどのように捉えていたのかが見える。
神奈川新聞さん、ありがとうございました。
しかし、吉報はこれだけではなかったのです。
なんと同じ日の2020/2/16付 静岡新聞の読書欄でも『異世界と転生の江戸』が紹介されていたのです!
しかも、評者名入りの書評(書影写真付き)です。
評者は、石井正巳さん(東京学芸大学教授)。『遠野奇談』(編著・河出書房新社)、『菅江真澄が見た日本』(三弥井書店)、『柳田国男遠野物語』(NHK「100分de名著」ブックス)などのご著書で知られる国文学者・民俗学者です。
そういえば『異世界と転生の江戸』の著者・今井秀和さんも国文学と民俗学の二刀流でした。
さて、石井さんは『異世界と転生の江戸』が怪異についての江戸の知識人たちの態度の違いに着目した点をとらえてくださいました。
石井さんご執筆の書評「怪異への知識人の様相」より、冒頭部分を抜粋いたします。
 江戸後期、異世界を語る少年があちこちに現れて世間を騒がせた。中でも有名なのは、てんぐにさらわれたと語る寅吉と、生まれ変わりを語る勝五郎である。好奇心旺盛な江戸の知識人たちは、彼らの話に熱心に耳を傾けて驚がくした。しかし本書の著者は、そうした知識人たちの中にも微妙な違いがあることを明らかにしてゆく。
このあと石井さんは本書のポイントを押さえながら紹介してくださった上で「本書によって、江戸の知識人の抱く怪異に対する様相が鮮明になってきたと言っていい」と評価してくださいました。
石井正巳さん、ありがとうございました。

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西日本新聞信濃毎日新聞週刊読書人につづき、神奈川新聞と静岡新聞でも取り上げられた異世界と転生の江戸』の書誌データは下記の通りです。

[書 名]異世界と転生の江戸
[副書名]平田篤胤松浦静山
[著 者]今井秀和
[頁数・判型]四六判並製、240頁
[定 価]2500円+税
ISBN978-4-7684-7977-3