白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

新刊『関釜裁判がめざしたもの』刊行

 このたび白澤社は、花房俊雄・花房恵美子著『関釜裁判がめざしたもの――韓国のおばあさんたちに寄り添って』を刊行いたしました。

 『関釜裁判がめざしたもの』は、元慰安婦と勤労挺身隊被害者が原告の「関釜裁判(かんぷさいばん)」支援、そして立法運動へと奔走した夫妻の28年間の活動と原告たちとの交流の記録です。

『関釜裁判がめざしたもの』の書誌データは以下の通りです。

[書 名]関釜裁判がめざしたもの

[副書名]韓国のおばあさんたちに寄り添って

[著 者]花房俊雄、花房恵美子

[頁数・判型]四六判並製、288頁

[定 価]2,400円+税

ISBN978-4-7684-7984-1 C0031 ¥2400E

【著者】

花房 俊雄(はなふさ としお)

 1943年岡山県生まれ。東北大学在学中にセツルメント活動を行なう。30歳より福岡市でレストランを自営。1988年に教員採用試験における国籍条項撤廃の支援運動に関わる。1993年より関釜裁判を支援する会の事務局長。真相究明のための調査会法や慰安婦問題の解決法の成立を目指す運動、福岡県における朝鮮人強制動員労働者の遺骨調査などに取り組む。現在、飲食店を自営。

花房 恵美子(はなふさ えみこ)

 1948年富山県生まれ。東北大学在学中にセツルメントのサークルに参加し、俊雄と知り合い、のちに結婚。88年に初めて市民運動に参加。92年に関釜裁判の原告たちと出会い、以後事務局として裁判を支援する。現在、「慰安婦」問題にとりくむ福岡ネットワーク世話人

【内容】

 1992年に提訴された元慰安婦と女子勤労挺身隊被害者が原告となった「釜山従軍慰安婦・女子勤労挺身隊公式謝罪等請求事件」、通称「関釜裁判」の支援、そして立法運動へと奔走した夫妻の28年間の活動と原告たちとの交流の記録。

 通称「関釜裁判(かんぷさいばん)」は、地裁で元慰安婦原告への国家賠償を認める画期的判決が出された裁判である(2003年最高裁で敗訴決定)。

 この裁判を支援するため、地方都市・福岡で夫妻が中心となり立ち上げられた「戦後責任を問う・関釜裁判を支援する会」は、2013年9月に解散するまで、原告たちに寄り添いながら、真の解決とはどうあるべきかを悩み探りながら行動し続けた。本書は、解決をめざして奮闘した市民運動の貴重な記録であり、日韓交流の未来に向けたメッセージである。

【目次】

序章 関釜裁判とは

第一章 関釜裁判第一審──下関判決

第二章 関釜裁判第二審から敗訴確定まで

第三章 勤労挺身隊裁判──第二次不二越訴訟

第四章 被害者の誇りを傷つけた「国民基金」・加害責任を否定する歴史修正主義との闘い

第五章 朝鮮人強制動員労働者の遺骨調査

第六章 慰安婦問題の歴史認識の検証と立法解決に向けた活動

第七章 関釜裁判を支援して──支援する会とハルモニたち

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新刊『関釜裁判がめざしたもの』は、今週末前後から全国の主要書店で発売されます。