白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

『週刊エコノミスト』誌で『最小の結婚』紹介

今日発売の『週刊エコノミスト2020.12・31/1・7合併号』(毎日新聞社)で、小社刊『最小の結婚――結婚をめぐる法と道徳』(エリザベス・ブレイク著/久保田裕之監訳)が紹介されました。
荻上チキさんの「読書日
記」で、「現在の「性愛規範性」を徹底して問い返す本書の鋭さは、近年の哲学書の中でも群を抜いてスリリング」と高評価!
荻上さんは、浜野ちひろ『聖なるズー』(集英社)、デッカー『見えない性的指向』(明石書店)と並ぶ「セクシュアリティー本 2019年の収穫」の一冊として、『最小の結婚』を大きく紹介してくださいました。
週刊エコノミスト』さんのサイトはこちら↓
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20200107/se1/00m/020/013000c
同記事より該当箇所を抜粋します。
「ブレイクは哲学的アプローチにより、従来の結婚論議異性愛者による一対一の排他的な性愛関係が中心的で、それを善きものとする「性愛規範性」を含んできたことを指摘し、そのような価値に基づいた結婚制度は、さまざまな差別を肯定してきたと喝破する。(中略)
現在の結婚制度は、家父長制と結びつくことで、所有的・支配的・束縛的な関係性をもしばしば肯定する。同性婚夫婦別姓をめぐる議論も、おおむねは従来の結婚制度の拡充や模倣として位置づけられがちだった。対してブレイクは、道徳から切り離され、より公正で、高いアクセサビリティーを含む「最小結婚」を提案する。ブレイクの議論はラディカルなようでいて、実際はリベラリズムからの結婚擁護、あるいは結婚制度のリノベーションだ。」

 

荻上チキさんはこのように『最小の結婚』の特徴を指摘したうえで、次のように評価してくださいました。
「現在の「性愛規範性」を徹底して問い返す本書の鋭さは、近年の哲学書の中でも群を抜いてスリリングである。」
大事なことなので二回言いました。
荻上チキさん、ありがとうございます。うれしいです。
 
なお、『最小の結婚』の定価は、4200円+税です。大手オンライン書店アマゾンでは、一週間以上前から品切れ状態のまま、「新品」と称して、定価を超える高値を付けた出品者を紹介していますが、いかがなものかと憂慮しています(本日16:00現在)。
『最小の結婚』の在庫はございます。新刊書店さんや他のオンライン書店さんで、定価(4200円+税)で購入できます。
小社にも在庫はありますので、最寄りの書店さんの店頭に見あたらなければ書店さんを通してご注文下さい。
なお、ジュンク堂書店池袋本店さんと、紀伊國屋書店新宿本店さんには店頭在庫のあることをこの目で確かめてまいりました。
店頭在庫をネットで確認できるサイトもあります。
ジュンク堂書店さんのサイト↓
https://honto.jp/netstore/pd-book_29985696.html
紀伊國屋書店さんのサイト↓
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784768479780
『最少の結婚』の書誌データは以下の通りです。
[書 名]最小の結婚
[副書名]結婚をめぐる法と道徳
[著 者]エリザベス・ブレイク Elizabeth Brake
[訳者]久保田裕之(監訳)  羽生有希・藤間公太・本多真隆・佐藤美和・松田和樹・阪井裕一郎(訳)
[体 裁]四六判上製、384頁 [定 価]4200円+税
[ISBN]978-4-7684-7978-0 C1036 \4200E
[原書名] Minimizing Marriage: Marriage, Morality, and the Law (Studies in Feminist Philosophy)  by Elizabeth Brake Copyright c 2012 by Oxford University Press, Inc.

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