白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

新刊『結婚の自由』出来!

新刊『結婚の自由――「最小結婚」から考える』が出来上がってまいりました。

結婚への自由か? 結婚からの自由か? ブレイクの最小結婚論を手かがりに哲学、人類学、政治学社会学の豪華執筆陣が結婚の未来を構想します。

本書企画のきっかけとなったE・ブレイク『最小の結婚』と並んで記念撮影。

今週末あたりから一般書店で発売される予定です。

[書 名]結婚の自由

[副書名]「最小結婚」から考える

[著 者]植村恒一郎、横田祐美子、深海菊絵、岡野八代、志田哲之、阪井裕一郎、久保田裕之

[頁数・判型]四六判並製、256頁

[定 価]2500円+税

ISBN978-4-7684-7991-9 C0036 ¥2500E

【目次】

第1章 「結婚」に求めるものは「人それぞれ」──『最小の結婚』の主要論点(植村恒一郎

第2章 結婚式のデモクラシー──限りあるなかでの平等を求めて(横田祐美子)

第3章 一夫一婦制を超えて/のなかで生きる──米国ポリアモリーの現在(深海菊絵)

第4章 「結婚」はどこまでも必要なのか?──ケア関係からの照射(岡野八代)

第5章 結婚よ、さようなら(志田哲之)

第6章 婚姻制度の廃止か、改革か?──パートナー関係への国家介入について(阪井裕一郎)

第7章 性愛規範を超えて──最小結婚と非性愛的ケア(親密性)関係(久保田裕之

 

【著者プロフィール】

植村 恒一郎(うえむら つねいちろう)       (第1章)

 1951年生れ、群馬県立女子大学名誉教授、西洋近代哲学、時間論、ジェンダー論。

 著書に『時間の本性』(勁草書房、第15回〔2002年度〕和辻哲郎文化賞受賞)、訳書にカント『視霊者の夢』(岩波版・カント全集・第3巻)、論文に「〈永遠の今〉としてのエロス──キルケゴール西田幾多郎の愛の理論」『哲学雑誌』2021年808号、「人間の身体の美しさについて── バーク、カント、そしてシラーへ」『群馬県立女子大学紀要』2019年40号、「美と自由についての省察(1)──シェイクスピア十二夜』の場合」『群馬県立女子大学紀要』2001年22号。

横田祐美子(よこた ゆみこ)         (第2章)

 1987年生まれ。立命館大学衣笠総合研究機構助教。専門は現代フランス哲学、エクリチュール・フェミニン、表象文化論

 単著に『脱ぎ去りの思考──バタイユにおける思考のエロティシズム』(人文書院)、共著に『レヴィナス読本』(担当章「レヴィナスフェミニズム」、レヴィナス協会編、法政大学出版局)、論考に「セリーヌ・シアマのエレメント」(『ユリイカ』2022年10月号、青土社)、共訳書にカトリーヌ・マラブー『抹消された快楽──クリトリスと思考』(法政大学出版局)など。

深海菊絵(ふかみ きくえ)            (第3章)

 1980年生まれ。日本学術振興会特別研究員(RPD)。専攻は文化人類学

 主な著書または論文に『ポリアモリー 複数の愛を生きる』(平凡社新書)、「性愛:他者と向き合う」『文化人類学のエッセンス──世界をみる/変える』(春日直樹・竹沢尚一郎 編、有斐閣アルマ)、「性愛のポリティクス:米国南カリフォルニアのポリアモリー社会を事例に」『官能の人類学──感覚論的転回を越えて』(石井美保・岩谷彩子ほか編、ナカニシヤ出版)など。

岡野八代(おかの やよ)  (第4章)

 1967年生まれ。同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。専攻は西洋政治思想、フェミニズム理論。

 主な著書に『フェミニズム政治学──ケアの倫理をグローバル社会へ』(みすず書房)、『戦争に抗する──ケアの倫理と平和の構想』(岩波書店)、『ケアするのは誰か?──新しい民主主義のかたちへ』(J.トロントとの共著、白澤社)。訳書にエヴァ・キテイ『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』(共監訳、白澤社)、アイリス・ヤング『正義への責任』(共訳、岩波書店)、ケア・コレクティヴ『ケア宣言──相互依存の政治へ』(共訳、大月書店)など。

志田哲之(しだ てつゆき)            (第5章)

 1971年生まれ。早稲田大学人間科学学術院教員。社会学専攻(セクシュアリティ研究、ジェンダー研究、家族研究)。

 最近の論文として「忘れられた欲望と生存──同性婚がおきざりにするもの」菊地夏野・堀江有里・飯野由里子編著『クィアスタディーズをひらく2 結婚,労働,家族』(晃洋書房)、「オープン・リレーションシップの可能性」綾部六郎・池田弘乃編著『クィアと法 性規範の解放/解放のために』(日本評論社)など。

阪井 裕一郎(さかい ゆういちろう)           (第6章)

 1981年生まれ。大妻女子大学人間関係学部准教授。慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(社会学)。専門は家族社会学

 主な著書に、『仲人の近代──見合い結婚の歴史社会学』(青弓社)、『改訂新版 事実婚夫婦別姓社会学』(白澤社)、『社会学と社会システム』(共著、ミネルヴァ書房)、『入門家族社会学』(共著、新泉社)、『境界を生きるシングルたち』(共著、人文書院)など。翻訳書に、エリザベス・ブレイク著『最小の結婚』(共訳、白澤社)。

久保田 裕之(くぼた ひろゆき)    (第7章)

 1976年生まれ。日本大学文理学部社会学科教授。家族社会学、福祉社会学、政治哲学。

 著書に、『他人と暮らす若者たち』(集英社新書)、『家族を超える社会学──新たな生の基盤を求めて』(共著、新曜社)。訳書に、スーザン・オーキン著『正義・ジェンダー・家族』(共訳、岩波書店)、エヴァ・キテイ著『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』(共訳、白澤社)、『最小の結婚──結婚をめぐる法と道徳』(監訳、白澤社)など。関連する論文として、「家族福祉論の解体──家族/個人の政策単位論争を超えて」『社会政策』2011, 3(1):113-123.など。