白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

鍋島直茂公400回忌

新聞や雑誌に本の広告を出すと掲載紙(誌)をいただけます。
特に地方紙の場合は、ふだん目にすることのないローカルニュースを読むことができるので楽しみです。
今回、小社では、新刊『〈江戸怪談を読む〉猫の怪』(横山泰子・早川由美ほか著)の広告を佐賀新聞に出稿(広)しました。
化け猫といえば佐賀藩鍋島家のお家騒動にからんだ物語がいちばん有名だからです。
そこで、佐賀新聞7月25日付朝刊に広告を出したのですが、送られてきた掲載紙を読んで面白い記事を見つけました。
「地域と縁 400回忌」と題された記事で、佐賀藩の藩祖鍋島直茂(1538〜1618)の400回忌の法要が営まれたことを報じたものです。
記事はネットでも読めます。↓
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10105/449179
この記事の最後に、この法要は「鍋島家と、同家に伝来する美術・歴史資料を管理する鍋島報效会が主催した」とありました。

実は、『猫の怪』に注・現代語訳とあわせて掲載した、鍋島化け猫騒動談の古いかたちと考えられる『肥前佐賀二尾実記』原文は、この鍋島報效会の所蔵する文書で、同会のご許可をいただいて掲載したものです。
戦国時代から続く旧家の所蔵する資料は、幕末に近くなってから脚色された歌舞伎と異なり、理由もなくあらわれた化け猫に翻弄される佐賀藩の人々と、この不明生物(?)による災害に、知略と武勇で対抗する佐賀藩士の忠義を描いた物語で、かの有名な『葉隠』を連想させる部分もあります。
詳しくは、早川由美さん担当の『猫の怪』第一部をご覧ください。