このたび白澤社では、横山泰子・早川由美ほか著『〈江戸怪談を読む〉猫の怪』を刊行いたしました。
全国の主要書店で発売される予定です。
新刊『猫の怪』概要
[書 名]〈江戸怪談を読む〉猫の怪
[著 者]横山泰子・早川由美・門脇大・今井秀和・飯倉義之・広坂朋信・鷲羽大介・朴庾卿
[頁数・判型]四六判並製、224頁
[定価]:2000円+税
ISBN:978-4-7684-7966-7 C0093 \2000E
内容
猫は不思議な生き物だ。猫好きにはそれがたまらない。
江戸時代にも、猫をこよなく愛する人たちがいた。いきおい、さまざまな猫の怪異の物語が生まれる。奇っ怪な行動をとる猫にまつわる物語のなかから江戸怪談における猫の怪の世界を、文学・芸能史・民俗学などの視点から選りすぐって紹介する。
江戸時代の化け猫話といえば、講談で有名な鍋島の化け猫騒動があるが、いくつもの物語が伝わるなかでその原型と考えられる『肥前佐賀二尾実記』の原文を現代語訳とともに掲載。そのほか、飼い主の美女を救う猫の話「三浦遊女薄雲が伝」、猫にまつわる江戸の随筆、日本や韓国での民間伝承、芝居や映画などから猫と人間の奇妙な関係を描き出す。
祟る猫・化ける猫・助ける猫・招く猫etcと、江戸怪談猫づくしの巻。
目次
〈前口上〉猫が好きなの? 嫌いなの?
第一部 佐賀鍋島の化け猫
第一章 『肥前佐賀二尾実記』──鍋島化け猫伝説の原型
第二章 御家騒動の怪猫
〈コラム1〉肥前白石・秀林寺の猫大明神──もう一つの佐賀怪猫伝説
第二部 江戸時代の怪猫談
第三章 馬場文耕「三浦遊女薄雲が伝」──猫の報恩物語
第四章 猫の報恩譚
〈コラム2〉猫檀家──東北の猫怪談
第五章 江戸の噂と怪猫──猫はなぜ喋るのか
〈コラム3〉江戸怪談の猫──猫と狸と
第三部 怪猫をめぐる民間伝承・芸能
第六章 猫は化けるが役に立つ──猫をめぐる民俗
〈コラム4〉韓国の猫の話──「忠」の犬と「悪」の猫
第七章 芸能史における「化け猫物」の系譜
〈コラム5〉恋する猫──猫になりたい
〈おわりに〉福を招く猫