連日の雨で鬱陶しい日々が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
夏の夜の読み物といえば怪談です。
小社では〈江戸怪談を読む〉と銘打って、近世怪談に現代語訳と注釈を添えてご紹介するシリーズを刊行しております(既刊5冊)。
『死霊解脱物語聞書』(小二田誠二・広坂朋信ほか著)
『猫の怪』(横山泰子・早川由美・今井秀和ほか著)
『牡丹灯籠』(横山泰子・斎藤喬・門脇大ほか著)
また、同シリーズのスピンオフとして、『新選百物語―吉文字屋怪談本 翻刻・現代語訳』(監修=篠原進/翻刻・注・現代語訳=岡島由佳/コラム=堤邦彦・近藤瑞木)もございます。
『新選百物語』をスピンオフとするのは、〈江戸怪談を読む〉叢書は芝居や映画、ノベライズなどで皆様よくご存じの怪談物語を、その原典やあまり知られていない別バージョンにさかのぼってご紹介しようという企画であるのに対して、『新選百物語』は単行本ではおそらく初めての翻刻と初めての注・訳になるからです。
もっとも、初めてと言えば〈江戸怪談を読む〉叢書も負けてはいません。
『皿屋敷』では歌舞伎『播州皿屋敷』のルーツ『播州皿屋鋪細記』を初紹介。
『猫の怪』では鍋島化け猫伝説の原型『肥前佐賀二尾実記』翻刻と現代語訳を掲載。
といったように、各巻とも本書が初めて!という取り組みが仕掛けてあります。
夏の夜のお供に江戸怪談をお楽しみください。