白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

講談で聞く江戸怪談

昨夜は、講談師・神田山緑師匠が江戸怪談を読む哲学堂怪談の夕べに行ってきました。
中野区にある哲学堂公園は明治の妖怪博士・井上円了(哲学者)がひらいた庭園です。
会場は、少女の幽霊が出ると伝えられる幽霊梅の脇に建つ宇宙館。
怪談を演じるには最高のロケーションです。

(↑哲学堂・宇宙館の前で微笑む神田山緑師匠・右肩背後や左わきになんか写っていますが気にしないでください)
そういえば、講談の世界では、講談を演じる、語ると言わずに「読む」と言うのですね。講談という芸能が「太平記読み」から始まった名残りなのでしょう。
この夜、山緑師匠が読んだ演目は、「鍋島怪猫伝」と「四谷怪談」。
紀伊國屋書店新宿本店さんの「怪異・怪談を学問するブックフェア」で、面出し展示されている小社の本が『猫の怪』と『実録四谷怪談』だというのは、まったくの偶然です(ほんとうです)。
鍋島猫騒動と四谷怪談は歌舞伎でも有名ですが、歌舞伎と実録が違うように、講談と実録も似ているようで違うところが興味深く感じられました。
なお、今年の哲学堂怪談の夕べは終わりましたが、8月29日(火)には哲学堂ミステリーツアーが開催されるそうです。
詳しくは山緑師匠のブログをご覧ください。
http://ameblo.jp/sanryoku/entry-12303345214.html