白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

また『女性の権利を擁護する』が紹介されました

梅垣千尋著『女性の権利を擁護する──メアリ・ウルストンクラフトの挑戦』が「出版ニュース」2012年1月上・中旬号の「Book Guide」欄で紹介されました。
出版ニュース」さんのサイトはこちら→http://www.snews.net/news/1201a.html
以下、同号の誌面から該当箇所を引用させてもらいます。

メアリ・ウルストンクラフトのフェミニズムの古典『女性の権利の擁護』から女性の何を「権利」とし、どのように「擁護」しようとしたのかを読み解くのが本書である。
女性は歴史上「つねに奴隷か、専制君主のいずれか」であって、幼いときから「結婚という奴隷制度を受け入れるように育てられているが、これからは男性の欲望に寄生することで密かに男性を支配するのではなく、男性から独立した一個の人格として、理性を用いる知の「主体」となるべきだと説く。本書が18世紀に書かれていたことが実に新鮮。

出版ニュース」さん、ありがとうございました。
ウルストンクラフトの『女性の権利の擁護』(邦訳は未来社さんから刊行)は、いま読んでも新鮮で、これがフランス革命の波紋に揺れる大英帝国で書かれたなんて、本当に驚きですね。
本書の著者、梅垣千尋さんは、トマス・ペインやエドマンド・バークが華々しく論争を繰り広げていた当時の言論状況のなかに、この『女性の権利の擁護』をあらためて置き直すことで、ウルストンクラフトの言論の特徴を分析しています。