白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

クレヨンハウス表参道店閉店に思ふ

11月23日をもってクレヨンハウス表参道店さんが閉店したそうです。

同店には、私たちにもいろいろな思い出があります。

小社創業前のことですが、別の出版社に勤務していた頃、クレヨンハウスさんの棚卸しのお手伝いにうかがって、夜食の美味しいカレーを頂いたこともありました。

そして地下にあったケーキ屋さんの大きなケーキはとても美味しかった。

その他にも食べ物のことだけではない、ここでは言えないことがた〜くさんあります。

世の中の理不尽に声をあげ続ける、クレヨンハウス主宰の落合恵子さんの活動に敬意を表しつつ、吉祥寺でのオープンをとても楽しみにしています。

www.crayonhouse.co.jp

『結婚の自由』――紀伊國屋書店新宿本店にて

新刊『結婚の自由――「最小結婚」から考える』の執筆陣は哲学・人類学・政治思想・社会学と多岐にわたっておりますので、どの分野の棚で展開するかは各書店さんのご判断次第です。

版元としては『結婚の自由』がどこに置かれているか、大いに気になります。

今日は東京・新宿にある紀伊國屋書店新宿本店さんにうかがいました。

こちらの人文書売場のご担当氏は『最小の結婚』(E・ブレイク著/久保田裕之監訳)をどーんと売ってくださったご縁がありまして、今回の『結婚の自由』にも期待を寄せて下さっています。

改装して真新しくなった人文書売場、社会学並びのジェンダー関連書の棚にありました。

ゴールデンラインに面出し!

お隣は佐藤文香さんの話題作『女性兵士という難問』。

慶應義塾大学出版会 | 女性兵士という難問 | 佐藤文香 (keio-up.co.jp)

佐藤文香さんは、かつて小社の別の本にエールを送ってくださったことがありました。

その佐藤さんのご本と並ぶのはなんだかうれしい。

紀伊國屋書店各店の在庫は以下のサイト↓から確認できます。

結婚の自由 / 植村恒一郎/横田祐美子 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア (kinokuniya.co.jp)

 

『結婚の自由――「最小結婚」から考える』の書誌データは白澤社ホームページをご覧ください。↓

結婚の自由 | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)

『河北新報』で『江戸の残映』紹介!

河北新報』2022/11/13付で『江戸の残映――綺堂怪奇随筆選』(東雅夫編・岡本綺堂著)が紹介されました。

河北新報の書評欄「東北の本棚」のコラム「仙台発出版こぼれ話」177回の記事です。

来年は「関東大震災100年」にあたることから、岡本綺堂関東大震災で自宅を焼失した経験を書いた文章の収録されている『江戸の残映』を紹介してくださいました。

「江戸の残り香をさまざまに作品に刻んだ文豪(今年生誕150年!)が自らの被災を記録した随筆が収録されている。(中略)文豪の筆に、100年前の災禍だけでなく、そこに私たちの11年前の記憶も重なってダブルイメージとなる。過去の記録と私たちの記憶が繋がる。」

執筆してくださったのは、荒蝦夷の土方正志さん。

荒蝦夷といえば、仙台を拠点に大活躍の版元さんです。↓

発行・出版・書籍 荒蝦夷【あらえみし】araemishi (coocan.jp)

土方さんは先の記事にこうも書いています。

「今の世の人たち全て、100年が経てばまずは生きてはいまい。私たちの経験の何をいかに残すのか、残せるのか。」

東日本大震災からまだ12年しかたっていない、忘れたふりをするには早すぎる時間です。

心しておきたいことです。

 

『結婚の自由』――ジュンク堂書店池袋本店にて

いよいよ全国の主要書店店頭で発売の始まった『結婚の自由――「最小結婚」から考える』。

本書のテーマは「結婚」ですが、執筆者は哲学・人類学・政治思想・社会学と多岐にわたっておりますので、どの分野の棚で展開するかは各書店さんのご判断次第です。

版元としては『結婚の自由』がどこに置かれているか、大いに気になります。

そこで、書店さんに行ってきました。

今日、訪問したのは東京・池袋にあるジュンク堂書店池袋本店さんです。

こちらの人文書売場のご担当氏は『ケアするのは誰か?』(J・トロント/岡野八代共著)をどっかーんと売ってくださったご縁がありまして、今回の『結婚の自由』にも『ケア誰』の岡野八代さんが共著者として加わっていることから期待を寄せて下さっています。

棚は人文書売場のジェンダー・家族社会学のコーナーでした。

ゴールデンラインに面出し!

並びには『ケア誰』とともに話題になった『ケアの倫理とエンパワメント』(小川 公代)|講談社BOOK倶楽部 (kodansha.co.jp)と、ついに新訳の刊行されたケア論の名著、ギリガン『もうひとつの声で』(風行社 (fuko.co.jp))。

結婚がテーマなのにケア論並びなのは、『結婚の自由』が提案するライフスタイルの一つに、恋愛の帰結としてではなくケアの共同性を重視する結婚が含まれているからです。

ジュンク堂書店各店の在庫は以下のサイト↓から確認できます。

https://honto.jp/netstore/pd-book_32040641.html

 

『結婚の自由――「最小結婚」から考える』の書誌データは白澤社ホームページをご覧ください。↓

結婚の自由 | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)

『江戸の残映』サイン本は芳林堂書店高田馬場店にあります

好評発売中の新刊『江戸の残映――綺堂怪奇随筆選』(東雅夫編・岡本綺堂著)の編者・東雅夫さんのサイン本は芳林堂書店高田馬場店さんで発売中です。

東さんのかわいいお化けのイラストがひそかに好評です。

小社としては、出来れば岡本綺堂先生にもサインをお願いしたかったのですが、そこは大人の事情でかないませんでしたことをあらかじめご了承ください。

芳林堂書店高田馬場店さんへのアクセスは下記サイトをご覧ください。

高田馬場店 | 芳林堂書店 (horindo.co.jp)

芳林堂書店高田馬場店【高田馬場駅徒歩1分ロータリー沿いドンキ上】(@horindobaba)さん / Twitter

 

新刊『結婚の自由』出来!

新刊『結婚の自由――「最小結婚」から考える』が出来上がってまいりました。

結婚への自由か? 結婚からの自由か? ブレイクの最小結婚論を手かがりに哲学、人類学、政治学社会学の豪華執筆陣が結婚の未来を構想します。

本書企画のきっかけとなったE・ブレイク『最小の結婚』と並んで記念撮影。

今週末あたりから一般書店で発売される予定です。

[書 名]結婚の自由

[副書名]「最小結婚」から考える

[著 者]植村恒一郎、横田祐美子、深海菊絵、岡野八代、志田哲之、阪井裕一郎、久保田裕之

[頁数・判型]四六判並製、256頁

[定 価]2500円+税

ISBN978-4-7684-7991-9 C0036 ¥2500E

【目次】

第1章 「結婚」に求めるものは「人それぞれ」──『最小の結婚』の主要論点(植村恒一郎

第2章 結婚式のデモクラシー──限りあるなかでの平等を求めて(横田祐美子)

第3章 一夫一婦制を超えて/のなかで生きる──米国ポリアモリーの現在(深海菊絵)

第4章 「結婚」はどこまでも必要なのか?──ケア関係からの照射(岡野八代)

第5章 結婚よ、さようなら(志田哲之)

第6章 婚姻制度の廃止か、改革か?──パートナー関係への国家介入について(阪井裕一郎)

第7章 性愛規範を超えて──最小結婚と非性愛的ケア(親密性)関係(久保田裕之

 

【著者プロフィール】

植村 恒一郎(うえむら つねいちろう)       (第1章)

 1951年生れ、群馬県立女子大学名誉教授、西洋近代哲学、時間論、ジェンダー論。

 著書に『時間の本性』(勁草書房、第15回〔2002年度〕和辻哲郎文化賞受賞)、訳書にカント『視霊者の夢』(岩波版・カント全集・第3巻)、論文に「〈永遠の今〉としてのエロス──キルケゴール西田幾多郎の愛の理論」『哲学雑誌』2021年808号、「人間の身体の美しさについて── バーク、カント、そしてシラーへ」『群馬県立女子大学紀要』2019年40号、「美と自由についての省察(1)──シェイクスピア十二夜』の場合」『群馬県立女子大学紀要』2001年22号。

横田祐美子(よこた ゆみこ)         (第2章)

 1987年生まれ。立命館大学衣笠総合研究機構助教。専門は現代フランス哲学、エクリチュール・フェミニン、表象文化論

 単著に『脱ぎ去りの思考──バタイユにおける思考のエロティシズム』(人文書院)、共著に『レヴィナス読本』(担当章「レヴィナスフェミニズム」、レヴィナス協会編、法政大学出版局)、論考に「セリーヌ・シアマのエレメント」(『ユリイカ』2022年10月号、青土社)、共訳書にカトリーヌ・マラブー『抹消された快楽──クリトリスと思考』(法政大学出版局)など。

深海菊絵(ふかみ きくえ)            (第3章)

 1980年生まれ。日本学術振興会特別研究員(RPD)。専攻は文化人類学

 主な著書または論文に『ポリアモリー 複数の愛を生きる』(平凡社新書)、「性愛:他者と向き合う」『文化人類学のエッセンス──世界をみる/変える』(春日直樹・竹沢尚一郎 編、有斐閣アルマ)、「性愛のポリティクス:米国南カリフォルニアのポリアモリー社会を事例に」『官能の人類学──感覚論的転回を越えて』(石井美保・岩谷彩子ほか編、ナカニシヤ出版)など。

岡野八代(おかの やよ)  (第4章)

 1967年生まれ。同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。専攻は西洋政治思想、フェミニズム理論。

 主な著書に『フェミニズム政治学──ケアの倫理をグローバル社会へ』(みすず書房)、『戦争に抗する──ケアの倫理と平和の構想』(岩波書店)、『ケアするのは誰か?──新しい民主主義のかたちへ』(J.トロントとの共著、白澤社)。訳書にエヴァ・キテイ『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』(共監訳、白澤社)、アイリス・ヤング『正義への責任』(共訳、岩波書店)、ケア・コレクティヴ『ケア宣言──相互依存の政治へ』(共訳、大月書店)など。

志田哲之(しだ てつゆき)            (第5章)

 1971年生まれ。早稲田大学人間科学学術院教員。社会学専攻(セクシュアリティ研究、ジェンダー研究、家族研究)。

 最近の論文として「忘れられた欲望と生存──同性婚がおきざりにするもの」菊地夏野・堀江有里・飯野由里子編著『クィアスタディーズをひらく2 結婚,労働,家族』(晃洋書房)、「オープン・リレーションシップの可能性」綾部六郎・池田弘乃編著『クィアと法 性規範の解放/解放のために』(日本評論社)など。

阪井 裕一郎(さかい ゆういちろう)           (第6章)

 1981年生まれ。大妻女子大学人間関係学部准教授。慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(社会学)。専門は家族社会学

 主な著書に、『仲人の近代──見合い結婚の歴史社会学』(青弓社)、『改訂新版 事実婚夫婦別姓社会学』(白澤社)、『社会学と社会システム』(共著、ミネルヴァ書房)、『入門家族社会学』(共著、新泉社)、『境界を生きるシングルたち』(共著、人文書院)など。翻訳書に、エリザベス・ブレイク著『最小の結婚』(共訳、白澤社)。

久保田 裕之(くぼた ひろゆき)    (第7章)

 1976年生まれ。日本大学文理学部社会学科教授。家族社会学、福祉社会学、政治哲学。

 著書に、『他人と暮らす若者たち』(集英社新書)、『家族を超える社会学──新たな生の基盤を求めて』(共著、新曜社)。訳書に、スーザン・オーキン著『正義・ジェンダー・家族』(共訳、岩波書店)、エヴァ・キテイ著『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』(共訳、白澤社)、『最小の結婚──結婚をめぐる法と道徳』(監訳、白澤社)など。関連する論文として、「家族福祉論の解体──家族/個人の政策単位論争を超えて」『社会政策』2011, 3(1):113-123.など。

 

「人形の趣味」収録の建前――『江戸の残映』編集こぼれ話

さて、このたび白澤社より刊行いたしました、東雅夫さんの編になる岡本綺堂随筆選は『江戸の残映――綺堂怪奇随筆選』と銘打ちました。

早くもご一読下さった読者は御承知でしょうが、江戸懐古、または怪奇趣味に溢れる作品の並ぶなか、一編のみ、江戸とも怪奇とも関係のなさそうな作品が収録されております。

「人形の趣味」がそれです。

これは著者の岡本綺堂が人形を偏愛し収集していたこと、編者の東雅夫さんが人形愛好家であること、そしてこれはどうでもよいことですが担当編集もぬいぐるみの愛好者であることから、この一編を本書に収録したというのが本音のところです。

とはいえ、本音があれば建前もあり、建前というものは案外おろそかにしてはならないものであります。

それでは、「人形の趣味」が本書に収録された建前は何かといえば、綺堂怪談のなかでもかなり怖い(当社比)部類に入る「河鹿」(双葉社刊『岡本綺堂怪談文芸名作集』所収)、そして、ご存知『半七捕物帳』シリーズ(光文社文庫)の中でも怪奇趣味の色濃い「人形使い」(他にも「張子の虎」や「菊人形の昔」もあります)、こうした作品を鑑賞するうえで綺堂の人形愛を知っておくことは有益であろうという、それなりの建前もあるにはあるのです。

なお、白澤社の新刊『江戸の残映――綺堂怪奇随筆選』(東雅夫編・岡本綺堂著)は、絶版本でも、希少本でも、倒産した出版社の本でもありません(まだ倒産していません)。全国の主要書店で税込定価2860円でお取り扱いいただいております。

店頭に見当たらなければ書店さんを通してご注文ください。

江戸の残映 | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)