白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

今朝の東京新聞に『江戸の残映』と『クダン狩り』の広告

10/27付東京新聞朝刊に新刊『江戸の残映』と『クダン狩り』の広告を出しました。

ぺりかん社さんと法蔵館さんに挟まれて居心地がよさそうです。

さっそくこの広告をご覧になった読者からお問い合わせのお電話もいただきました。

手ごたえがうれしい!

新刊『江戸の残映』(東雅夫編・岡本綺堂著)は全国の主要書店で発売中です。

江戸の残映 | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)

好評既刊の『クダン狩り』(東雅夫編著)も全国の主要書店でお取り扱いいただいております。

クダン狩り | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)

 

ド迫力の白澤3D

人面獣身に三つの眼で知られる神獣白澤の姿は図画ではよく見かけますが、立体の彫刻ではめったにお目にかかりません。

その白澤の彫刻が、今夏、福岡県大川市立清力美術館で催された「水墨画に見る江戸の暮らし展」に出品されたそうです。

制作したのは福岡市在住の彫刻家、桃山栗八さん。

桃山さんによるド迫力の白沢3Dはこちら↓のサイトでご覧いただけます。

  白沢3Dスキャン画像 https://skfb.ly/oxwRG

今にも走り出しそうなリアルな白澤をご覧ください。

この企画展の様子を報じたNHKのサイト「福岡 NEWS WEB」より「江戸時代の水墨画 現代アートで立体像に 大川市で展示会」という記事から引用します。

江戸時代に久留米藩の絵師が描いた水墨画とそれをもとに現代作家が制作した立体像を組み合わせた展示会が大川市で開かれています。

(中略)

中国の想像上の神獣「白沢」の水墨画には、彫刻家の桃山栗八さんが絵には描かれていない全体像を神社のこま犬を参考にして再現したという作品が添えられています。

桃山さんは「表情なども考えて作っているので、いろんな角度から見てもらいたいです」と話していました。

江戸時代の水墨画 現代アートで立体像に 大川市で展示会|NHK 福岡のニュース

 

実はこのニュースも、彫刻を制作した桃山さんご自身から教えていただきました。

桃山さんは展覧会終了後、小社刊行の佐々木聡著『復元白沢図』を読んでくださり、これも何かのご縁と小社宛てにご一報くださったということです。

なお、佐々木聡著『復元白沢図』は好評発売中です。

復元 白沢図 | 白澤社

 

狸せんべい有ります――『江戸の残映』編集こぼれ話

新刊『江戸の残映』(岡本綺堂著/東雅夫編)に収められた「十番雑記」は関東大震災で自宅を焼かれた岡本綺堂麻布十番の仮住まいでの日々を書き留めたもの。

麻布十番の綺堂の住まいは狸坂と暗闇坂に挟まれたところにありました。この二つの坂の名前を綺堂は気に入ったと見えて、「狸坂くらやみ坂や秋の暮」の句を残しています。

さらにこんなことも書いています。

 坂の名ばかりでなく、土地の売物にも狸羊羹、狸せんべいなどがある。カフェー・たぬきと云うのも出来た。子供たちも「麻布十番狸が通る」などと歌っている。狸はここらの名物であるらしい。(岡本綺堂著/東雅夫編『江戸の残映』白澤社、129頁)

狸羊羹に狸せんべい! ぜひ味わってみたいし、カフェー・たぬきにも入ってみたいと麻布十番を訪ねてみました。

担当Hはオシャレな街に似つかわしくない狸ですので、異人さんから話しかけられたらなんとしようとどぎまぎしながら狸坂と暗闇坂を行ったり来たりしてみました。

狸せんべいがありました!

麻布十番 たぬき煎餅 公式オンラインショップ (tanuki10.com)

都営地下鉄大江戸線麻生十番駅を出てすぐです。門前にでかい信楽焼の狸がドーンとかまえています。本と同じサイズの小さい詰め合わせを買いました。

残念ながら狸羊羹とカフェー・たぬきは現存しませんでしたが、秋の日のお散歩にうってつけの麻布十番の町でした。

『江戸の残映』はまもなく書店での発売が始まります。乞うご期待!

猿の髪切――『江戸の残映』編集こぼれ話

新刊『江戸の残映』(岡本綺堂著/東雅夫編)に収められた綺堂の随筆「甲字楼夜話」は「髪切」という妖怪についての短文から始まります。

どなたもご存知の通り、江戸時代は誰もが髷を結っていましたが、この髷が本人の気づかぬうちに元結からブツリと切り落とされるという怪現象がしばしば起こったようです。

この怪現象を髪切と呼び、その悪戯の主は狐だとかいろいろと考えられたのですが、絵に描かれたものでは手と口がハサミになっている化物が髪切だとされています。

ところが綺堂は「俗に髪切は猿の仕業なりなど云い伝うる」と書いています。狐でも化物でもなくて猿です。

髪切は猿の仕業、これはちょっと面白いのじゃないかなと思うわけです。

青蛙堂鬼談』の「猿の眼」(東雅夫編『岡本綺堂怪談文芸名作集』双葉社所収)や『半七捕物帳』の「歩兵の髪切り」を読み返すときに「甲字楼夜話」の「髪切」を念頭に置くと、また少し興味が増すのではないでしょうか。

岡本綺堂怪談文芸名作集』(東雅夫編、双葉社)は、奇談の名手・岡本綺堂の怪談小説の傑作選です。

双葉社さんの紹介サイト↓

岡本綺堂 怪談文芸名作集 | 双葉社 (futabasha.co.jp)

小社の新刊『江戸の残映』は、一般の書店さんでは来週10/20か21頃に販売開始となりますが、明日、岡山県勝央町の勝央美術文学館さんのイベントで一足お先にお披露目となります。↓

令和4年度 勝央美術文学館 特別展 岡本綺堂生誕150年記念展 奇譚の神様 | 勝央町美術文学館 (shoo.lg.jp)

─綺堂生誕祭─〈東雅夫が読む岡本綺堂・こども怪談コンクール表彰式・東雅夫講演会〉参加申込のお知らせ | 勝央町美術文学館 (shoo.lg.jp)

 

新刊『江戸の残映』(東雅夫編)出来!

東雅夫編『江戸の残映――綺堂怪奇随筆選』が出来上がってまいりました。

本書収録の「焼かれた夜」「十番雑記」に登場する麻布十番あたりの切絵図の前で記念撮影。

[書 名]江戸の残映

[副書名]綺堂怪奇随筆選

[著 者]岡本綺堂

[編 者]東雅夫

[頁数・判型]四六判並製、256頁

[定 価]2600円+税

ISBN978-4-7684-7993-3 C0095

奇談の名手岡本綺堂による江戸懐古と怪奇趣味に富んだ珠玉の随筆25編を精選。綺堂怪談の始まりを告げた「狸坂くらやみ坂や秋の暮」の句を含む震災直後のエッセイも初復刻。

担当が手際が悪いくせに無駄に入れ込む性格なものですから、昨年の『クダン狩り』同様、年末ぎりぎりの刊行になるのでは?と危ぶまれていましたが、編者・東さんの臨機応変の対応と小社シャチョーの厳しい叱咤激励のお陰で、なんとか岡本綺堂生誕150年を記念するイベントに間に合わせることができました。

一般の書店さんでは来週10/20か21頃に販売開始となりますが、一足先に、岡山県勝央町の勝央美術文学館さんのイベントでお披露目となります。↓

令和4年度 勝央美術文学館 特別展 岡本綺堂生誕150年記念展 奇譚の神様 | 勝央町美術文学館 (shoo.lg.jp)

─綺堂生誕祭─〈東雅夫が読む岡本綺堂・こども怪談コンクール表彰式・東雅夫講演会〉参加申込のお知らせ | 勝央町美術文学館 (shoo.lg.jp)

 

『クダン狩り』同様、よろしくお願いいたします(そういえば岡山はクダンの名産地でしたよね)。

『極楽の人数』(税込1980円)の在庫はあります。

先日、NHKのテレビ番組「こころの時代」で高木顕明が取り上げられて以来、菱木政晴著『極楽の人数――高木顕明『余が社会主義』を読む』(税込1980円)についてお問い合わせをいただいております。

菱木政晴著『極楽の人数――高木顕明『余が社会主義』を読む』の在庫はございます。

2022/9/27現在、アマゾンでは定価の倍以上の高値(4950円から)を付けていますが、『極楽の人数』は定価1980円(税込)で新本が流通しております。

菱木政晴著『極楽の人数――高木顕明『余が社会主義』を読む』は、最寄りの書店を通してご注文いただくか、お急ぎの方は小社ホームページの「お問合せページ」よりご注文ください。

極楽の人数 | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)

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ご購入について | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)

お問い合わせ | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)

 

この件につき、小社では9/22よりアマゾンに訂正を申し入れておりますが、「適正な価格設定」ではないとの言い分で受け付けてもらえません。

『極楽の人数』税込1980円は、発行元(製造者)である小社の決めた定価であって、これが「適正な価格設定」ではないとの言い分は適正な理由になりえません。

再度申し上げます。菱木政晴著『極楽の人数――高木顕明『余が社会主義』を読む』(税込1980円)は、発行元である小社に在庫があり、全国の書店で定価1980円(税込)で流通しております。よろしくお願い申し上げます。

追記(9/30)

9/30現在、小社刊『極楽の人数:高木顕明『余が社会主義』を読む』につきまして、アマゾンの異常な高値が解消されたことを確認いたしました。↓

極楽の人数: 高木顕明『余が社会主義』を読む | 菱木 政晴 |本 | 通販 | Amazon

 

『歎異抄』と高木顕明

9月18日放映のNHKのテレビ番組「こころの時代」で高木顕明が取り上げられたようです(読者の方からのお問い合わせのお電話で知りました)。

シリーズ 歎異抄にであう 無宗教からの扉 (6)「慈悲の実践」 - こころの時代〜宗教・人生〜 - NHK

歎異抄」に流れる法然親鸞の教えの核心である「慈悲」。それはどう実践されうるのか。阿満さんはその思想を支えているのは第6条などに登場する絶対平等主義だとする。それゆえにその教えは、階級社会的秩序を求める政治権力と否応なく対じせざるを得ず、それが「歎異抄」の付録にある法然親鸞の「流罪の記録」と結びつく。さらに明治期“大逆事件”に連座し絶命した和歌山新宮の僧侶・高木顕明の生き方を道標に考えてゆく。

9月24日には再放送もあるようです。番組については上掲放送局のサイトをご覧ください。

高木顕明については、小社では菱木政晴著『極楽の人数――高木顕明『余が社会主義』を読む』を刊行しております。高木顕明の遺した文章『余が社会主義』も全文掲載されています。

極楽の人数 | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)

また、番組で取り上げられた親鸞歎異抄』については子安宣邦著『歎異抄の近代』、三木清親鸞論・『歎異抄』論については子安宣邦著『三木清遺稿「親鸞」――死と伝統について』もぜひご一読ください。

歎異抄の近代 | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)

三木清遺稿「親鸞」 | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)