明後日は憲法記念日ですね。
高橋哲哉・岡野八代著『憲法のポリティカ』について、憲法学者・村田尚紀さんによる書評が福島民報に掲載されたことは先日ご紹介しました。
http://d.hatena.ne.jp/hakutakusha/20150423/1429793799
その後も『憲法のポリティカ』の紹介記事が相次いでいます。
簡単ですが、下記にまとめてご紹介します。
4月23日付「西日本新聞」夕刊の新刊案内
九州のブロック紙、西日本新聞さんの新刊案内で紹介されました。
自民党改憲案、死刑制度、天皇制、マイノリティーの権利、人道的介入の是非…。戦後70年の節目の年に、哲学者と政治学者が、政治の右傾化や市民社会にも浸透する排外主義とナショナリズムなど日本社会が迎える危機について語り合う。
西日本新聞さんのサイトはこちら↓
http://www.nishinippon.co.jp/nlp/book_new/article/164698
4月26日付「京都民報」の書評欄
「「壊憲」に対峙し、語り尽くす」との見出しで、憲法学者の中里見博さん(徳島大学)が力のこもった書評をしてくださいました。
中里見さんは冒頭で現状に対する危機感を表明しています。
「日本国憲法体制」(戦後レジーム)の否定を掲げる2度目の安倍内閣が発足して2年と数カ月。憲法の息の根を止めようとする政策が次々に打ち出されている。来年ないし数年後の改憲発議も視野に入れられている。他方で、50年代の改憲策動を押し返す原動力となった勢力(ジャーナリズム、知識人、革新政党、労働組合など)は今、保守化と無力化が甚だしい。
「そんな異常で危機的な状況の中で放たれたのが本書」だとして、本書の内容を紹介してくださったあと、次のように締めくくっています。
本書の特長は、憲法をめぐる幅広い話題が、法律論に偏らず、また従来の護憲・改憲の枠も超えて深く語られていることだろう。「個人の尊厳」に根ざす立憲主義や九条の意義を明確にし、日本国憲法を高く評価する一方で、少数民族の権利の不在、天皇制の規定、死刑禁止条項の欠如など改正すべき点も語られる。戦後民主主義と平和主義を大切に思う市民にはもちろん、憲法学者にも新鮮な視点に満ちている。
本書はまちがいなく、市民が安倍「壊憲」に向き合うために学びを深める最良の書物といってよい。