白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

昨日は「天狗の日」

 昨日10月9日は「天狗の日」だったそうです。

 天狗と言えば、通称大天狗と呼ばれる高い鼻の天狗と鳥のくちばしをもった通称烏天狗があります。最近、文庫化された宮本袈裟雄『天狗と修験者――山岳信仰とその周辺』(法蔵館文庫)によれば、前者を山伏型天狗、後者を鳥類型天狗と分類しています。

 天狗小僧寅吉(平田篤胤『仙境異聞』)の世界を探った今井秀和『異世界と転生の江戸』に登場する天狗は鼻の高い山伏型天狗のようです。

異世界と転生の江戸 | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)

 しかし、鳥類型天狗、いわゆるカラス天狗もどことなく愛嬌があって憎めません。法蔵館文庫『天狗と修験者』のカバー絵もカラス天狗です。

天狗と修験者【法蔵館文庫】 - 法藏館 おすすめ仏教書専門出版と書店(東本願寺前)-仏教の風410年 (hozokan.co.jp)

 東京都八王子市の高尾山薬王院の天狗のうちわに描かれているのは鼻高の山伏型天狗ですが、本尊としてまつられている飯縄権現(いづなごんげん)はカラス天狗の姿をしています。

高尾山薬王院境内の飯縄権現堂】

この石仏は現・日野市から飛んできたとの伝説から「飛飯縄」との異名を持つ。

 

 白澤社では只今たいへんおもしろい天狗の本を編集中です。刊行のめどが立ちましたら、またあらためてお知らせします。お楽しみに。