白澤社ブログ

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新刊『異世界と転生の江戸』出来!

読書の秋におくる新刊『異世界と転生の江戸』(今井秀和著)が出来あがってまいりました!

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出来たての新しい本の香りを思い切り吸い込むと、なんとなく秋の香りがいたします。
今井秀和著『異世界と転生の江戸』は来週中頃から全国の主要書店で発売される予定です。
異世界と転生の江戸』の書誌データは以下の通りです。

[書 名]異世界と転生の江戸

[副書名]平田篤胤松浦静山

[著 者]今井秀和(いまい ひでかず)

[頁数・判型]四六判並製、240頁

[定 価]2500円+税
ISBN978-4-7684-7977-3 C0039 ¥2500E

 

[内 容]

少年たちの語る異世界とは何だったのか?

江戸後期の文政年間、天狗にさらわれて異世界を見てきたという少年、自分は他人の生まれ変わりだという少年があいついで現れ、江戸の知識人たちの注目を浴びた。

本書は、在野研究者・平田篤胤と隠居大名・松浦静山、その二人をとりまく江戸知識人のネットワークに着目し、彼らの怪異への関心の文脈を明らかにした。
妖怪が娯楽として楽しまれると同時に、天狗や河童が跳梁し狐や狸が人を化かすと信じられてもいた時代、複雑な怪異観を解きほぐす気鋭の論考。

 

[目 次]
第一章 「仙境」とは何か──江戸の「異世界」調査録
第二章 『仙境異聞』と和漢の文献知識──寅吉の語りを構成するもの
第三章 『仙境異聞』と仏教──寅吉の出家を軸に
第四章 『勝五郎再生記聞』と日本人の転生観
第五章 流転する語りと聞き取り──『勝五郎再生記聞』における「聞き書き
第六章 「口寄せ」と勝五郎の前世語り──憑依と転生の分水嶺
第七章 「幽冥の談」を言う者──松浦静山の〈怪異〉への態度
第八章 松浦静山の怪異観
第九章 松浦静山平田篤胤──その差異と接点 終章 異世界と転生の江戸

 

【著者略歴】
今井 秀和(いまい ひでかず)

1979年、東京都生まれ。大東文化大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専攻は日本近世文学、民俗学比較文化論。国際日本文化研究センター機関研究員などを経て、大東文化大学非常勤講師、蓮花寺佛教研究所研究員。著書に『天狗にさらわれた少年 抄訳仙境異聞』(訳・解説、角川書店、2018)、共著に『〈江戸怪談を読む〉皿屋敷』(白澤社、2015)、共編著に『怪異を歩く』(青弓社、2016)などがある。

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