東京はいきなりの猛暑、暑中お見舞い申し上げます。
夏といえば怪談です。今回は、吉田悠軌著『中央線怪談』竹書房文庫、をご紹介します。
版元・竹書房さんのサイト↓
中央線沿線の書店さんでふと手に取って読み始めたら、中野駅から始まって、東京駅、高円寺駅、吉祥寺駅、武蔵小金井駅……と、都内の版元の営業なら怪談よりも書店さんの顔を思い出す目次に頁をめくる手が止まらなくなってしまいました。
中央線の中での読書に最適の本です。
読み進めていくと、「四谷の女たち」というコラムに目が留まりました。四谷と言えば言わずと知れたお岩様ですが、吉田さんはそこに「番町皿屋敷」のお菊ちゃんも登場させています。
そして、注で小社の〈江戸怪談を読む〉シリーズの『皿屋敷――幽霊お菊と皿と井戸』(横山泰子、飯倉義之、今井秀和ほか著)と『実録四谷怪談―現代語訳『四ツ谷雑談集』』(横山泰子序、広坂朋信訳注)をちゃんと挙げてくださっているではありませんか。
先日は川奈まり子さんが『眠れなくなる怪談沼 実話四谷怪談』(講談社)で『実録四谷怪談』を取り上げてくださったばかり。
〈江戸怪談を読む〉はいろいろと苦労の多い企画なのですが、こうして現代怪談の実作者の方々に取り上げていただけるのは有難いかぎりです。