白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

読売新聞で『新敬語「マジヤバイっす」』紹介

小社刊『新敬語「マジヤバイっす」――社会言語学の視点から』(中村桃子著)が、7月26日付讀賣新聞の書評欄「本よみうり堂」で紹介されました。

讀賣新聞「本よみうり堂」さんのサイトはこちら↓

https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/

 紹介してくれた飯間浩明さんは国語辞典編纂者、言葉のプロです!

飯間さんは「国語辞典的に言えば、「っす」は俗に「です」を縮めた言い方にすぎません。ところが、著者と一緒に実際の会話を観察してみると、この「ス体」は、日本語の敬語の欠陥を補うものだということが分かります。」と、本書の核心をずばり指摘しています。

この書評の締めくくりで、飯間さんは興味深い指摘をしています。

「思えば、「です」という語尾も、江戸時代は遊里で使われた俗語でした。それが、近代には丁寧表現を担うようになり、知性的で洗練された印象と結びつきました。」

言葉は時代とともに変わっていくものなんですねえ、とあらためてしみじみ。

飯間さんは「「っす」も、今はあまり重要視されていませんが、いずれ将来の日本語を担うことになるかもしれない。著者はそう示唆しているような気がします。」とこの書評をしめくくっています。

飯間さん、ありがとうございました。

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