白澤社ブログ

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『讀賣新聞』に『安政コロリ流行記』書評掲載!

讀賣新聞2021718日付朝刊の書評欄「本よみうり堂」で、『安政コロリ流行記幕末江戸の感染症と流言』(仮名垣魯文原著、門脇大訳、今井秀和ほか著)が紹介されました!

書評を執筆してくださったのは、『漂砂のうたう』や『櫛挽道守』(いずれも集英社文庫)で幕末・明治の人間と時代を描いた作家の木内昇さん! 本書の原著者・仮名垣魯文もまさにその時代を生きた人でした。

「疫病の恐怖 江戸の知恵」と題された書評の書き出しの部分をご紹介します。

「大地震の起きた、およそ三年後、江戸市中を襲ったのは不気味な疫病だった。コロリと呼ばれたこの病は、長崎から各地に広まり、江戸だけで三万人とも言われる死者を出す。当時は異国船が、開国を迫って来航していた折も折。それまで麻疹や天然痘といった命にかかわる伝染病を幾度となく乗り越えてきた人々も、異国から入ってきたらしい得体の知れない病原菌に為す術もない――江戸末期、安政年間のこうした世相は、どこか現代と通ずるものがある。

 幕末期から明治にかけて活躍した戯作者・仮名垣魯文は、コロリ(コレラ)に 翻弄される江戸の様子を果敢にも取材し、『安政箇労痢流行記』なる一書にまとめた。(中略)この一巻を、初版本の図版、注釈入り翻刻、現代語訳と三段階構成で、江戸の戯作になじみのない方でも十分に楽しめるよう編まれたのが本書である。」(讀賣新聞2021718日付朝刊より)

 「江戸の戯作になじみのない方でも十分に楽しめる」!

木内さん、素敵な書評をありがとうございます。

木内さんの書評「疫病の恐怖 江戸の知恵」は讀賣新聞社さんのサイトでも読めます。↓

https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20210717-OYT8T50141/

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安政コロリ流行記』は全国の主要書店で発売中です。