白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

図書新聞に『最小の結婚』書評掲載!

図書新聞第3445号(2020年04月25日付)で、好評発売中の『最小の結婚――結婚をめぐる法と道徳』(E・ブレイク著/久保田裕之監訳)が紹介されました。

池田弘乃さん(山形大学人文社会学部准教授)ご執筆の「結婚の脱特権化を展開する――婚姻廃止論ではなく、最小結婚という代案を提示」と題された本格的な書評が掲載されています。

図書新聞さんのサイト↓

http://www.toshoshimbun.com/books_newspaper/week_article.php

図書新聞さんのブログ↓

http://toshoshimbun.blog96.fc2.com/blog-entry-556.html

 『最小の結婚』の書評が掲載されている紙面は、特集「右傾化とフェミニズム、結婚制度をめぐる三冊」で、ちなみに、特集の他の二冊とは、

鈴木彩加著『女性たちの保守運動――右傾化する日本社会のジェンダー』(人文書院) 版元さんのサイト→http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b487597.html

ケイト・マン著/小川芳範訳『ひれふせ、女たち――ミソジニーの論理』(慶応義塾大学出版会) 版元さんのサイト→https://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766426359/

という、豪華な顔ぶれです。

 

さて、『最小の結婚』についての池田弘乃さんの書評の前半部分からご紹介します。

「結婚という制度の原理的な再検討を試みる本書(原著は二〇一二年出版)は、序に続いて第一部「結婚の脱道徳化」と第二部「結婚の民主化」の二部から構成される。第一部では、結婚に特別な価値を認める諸見解は擁護し難いことが様々な観点から論じられる。そのような議論の流れは、制度としての結婚を廃止する結論へと至りそうだが、そうはならないのはブレイクの面白いところである。これからのリベラルな社会が目指すべき制度を提案する第二部で、ブレイクは婚姻廃止論ではなく最小結婚(minimal marriage)という代案を主張する。」

このあと、池田さんは本書の論点を的確に紹介してくださり、本書の意義を次のように評しています。

「結婚制度の未来を考えるにあたって、ブレイクは、現状をもとにした手直しでも婚姻廃止論でもなく、結婚の刷新というアイディアを提示する。最小結婚という提案には賛否が分かれるだろうが、本書で展開されている結婚の脱特権化(disestablish)の方向性は、今後の議論の信頼できる土台となるのではないだろうか。」

後半では、本書から今後の「議論の素材」として、「ケア関係の意味」と「最小結婚を『結婚』と呼ぶことの意味」の二点を取り出し、池田さんご自身の見解も交えて批評してくださっています。

本格的な書評をご執筆くださった池田弘乃さんに篤く御礼申し上げます。ありがとうございました!

 

なお、図書新聞で取り上げられた『最小の結婚』は、現在、コロナ対策の影響を受けてか、大手オンライン書店アマゾンさんで、定価(4200円+税)の倍以上の高値がついております(2020/04/20現在)が、同書は新刊書店さんにて定価(4200円+税)で購入できます。

小社にも在庫は十分にありますので、店頭に見あたらなければ書店を通してご注文下さい。

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