白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

お悔み・江口昌樹さん

小社刊『ナショナリズムを越えて ─旧ユーゴスラビア紛争下におけるフェミニストNGOの経験から』(2004)の著者・江口昌樹さんが亡くなられたという報せをいただきました。
打ち合わせのためにお会いした江口さんは、とても真摯な、そして、やさしい方でした。
ご冥福をお祈りいたします。
今年6月に社会評論社さんから新著『拉致問題を超えて 平和的解決への提言 ─拉致・人権・国際社会』を刊行されたばかりでした。
江口さんの新著については社会評論社さんのブログをご覧ください。↓
http://shahyo.sakura.ne.jp/wp/2017/06/21/

神保町ブックフェスティバル―うちのネコちゃんやーい3

本の街神保町は恒例の神田古本まつり(10/27〜11/5)でにぎわっていました。
昨夜はハロウィンということで、渋谷あたりはたいそうな人出だったそうですが、神保町も負けてはいません。
古書をもとめる人でこみあう神保町にも、うちのネコちゃんはまぎれこんでいました。
ネコちゃんというのはもちろん小社新刊『〈江戸怪談を読む〉猫の怪』(横山泰子・早川由美ほか著)のことです。
今日訪ねたのは、東京堂書店神田本店さん。
文学書と人文書をあつかう三階に行くと、いました。うちのネコちゃんは〈江戸怪談を読む〉シリーズのお仲間たちと一緒で機嫌よく踊っていました。

(写真は東京堂書店さんの許可を得て撮影・掲載)
神保町では、今週末(11/3.4.5)に、ただいま開催中の神田古本まつりと並行して、神保町ブックフェスティバルも開催されます。
こちらは古書ではなく、すずらん通り・さくら通りに新刊書店・出版社が中心のブースが並び、ふだんはお目にかかれない在庫僅少本やサイン本なども販売されます。
軽食や飲み物も販売されるので、古書探索に疲れた足を休めることもできます。
神保町といえばカレーですが、中華も捨てがたいですよね。
この神保町ブックフェスティバルに、小社は出店しませんが、協賛広告(11/1付東京新聞朝刊掲載)に出広しています。

おっ、こんなところにもネコちゃんが!
『〈江戸怪談を読む〉猫の怪』は三省堂書店神田本店さんの「東京の本」ブックフェアにもまぎれこむ予定ですので、よろしくお願いいたします。

『三木清遺稿「親鸞」』は、あります!

ご好評いただいております子安宣邦編著『三木清遺稿「親鸞」――死と伝統について』は、某大手オンライン書店では品切れ状態が続き、気の早いネット古書店が3000円以上の高値を付けているのに驚きました(2017年10月19日15時時点)。
小社新刊、子安宣邦編著『三木清遺稿「親鸞」――死と伝統について』は現在も新刊書店で流通しております。
新刊書店での定価は、本体1600円+税です。

私は三木の遺稿「親鸞」が読み直されることを願っている。だがそれが本当に読み直され、三木の思念がわれわれに再生するかどうかは、この時代をわれわれの内においても外においても根源的な転換が遂げられねばならない末法の時代として自覚するかどうかにかかっている。(編者による序「遺稿「親鸞」から三木清を読む」より)


三木清遺稿「親鸞」――死と伝統について』の在庫はあります。
読者の皆様にはお手数をおかけいたしますが、最寄りの書店さんを通してご注文いただければ幸いです。
編者の著書『「歎異抄」の近代』ともどもご愛読くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

講談で聞く江戸怪談

昨夜は、講談師・神田山緑師匠が江戸怪談を読む哲学堂怪談の夕べに行ってきました。
中野区にある哲学堂公園は明治の妖怪博士・井上円了(哲学者)がひらいた庭園です。
会場は、少女の幽霊が出ると伝えられる幽霊梅の脇に建つ宇宙館。
怪談を演じるには最高のロケーションです。

(↑哲学堂・宇宙館の前で微笑む神田山緑師匠・右肩背後や左わきになんか写っていますが気にしないでください)
そういえば、講談の世界では、講談を演じる、語ると言わずに「読む」と言うのですね。講談という芸能が「太平記読み」から始まった名残りなのでしょう。
この夜、山緑師匠が読んだ演目は、「鍋島怪猫伝」と「四谷怪談」。
紀伊國屋書店新宿本店さんの「怪異・怪談を学問するブックフェア」で、面出し展示されている小社の本が『猫の怪』と『実録四谷怪談』だというのは、まったくの偶然です(ほんとうです)。
鍋島猫騒動と四谷怪談は歌舞伎でも有名ですが、歌舞伎と実録が違うように、講談と実録も似ているようで違うところが興味深く感じられました。
なお、今年の哲学堂怪談の夕べは終わりましたが、8月29日(火)には哲学堂ミステリーツアーが開催されるそうです。
詳しくは山緑師匠のブログをご覧ください。
http://ameblo.jp/sanryoku/entry-12303345214.html

紀伊國屋書店新宿本店にて怪異・怪談を学問するブックフェア―うちのネコちゃんやーい2

猛暑が続くかと思っていたらなんだか梅雨に逆戻りしたような日が続きます。
さて、うちのネコちゃんはどこで雨宿りしているのかなと都内の書店さんを訪ねました。
ネコちゃんというのはもちろん小社新刊『〈江戸怪談を読む〉猫の怪』(横山泰子・早川由美ほか著)のことです。
今日訪ねたのは、紀伊國屋書店新宿本店さん。

こちらでは「怖い話はなぜ怖い?」と銘打って「怪異・怪談を学問するブックフェア」が開催されています。
人文書をあつかう三階カウンター前に行くと、いました。うちのネコちゃんはおおぜいのお仲間たちと一緒で機嫌よく踊っていました。
このブックフェア、小社からは<江戸怪談を読むシリーズ>の『死霊解脱物語聞書』、『実録四谷怪談』、『皿屋敷』、そして『猫の怪』の四点が選書されて、青弓社さんの『怪異の時空』全3巻ほか、錚々たる他社さんの名著・奇書・珍本と並べていただいております。

(写真は紀伊國屋書店新宿本店さんの許可を得て撮影・掲載)
フェア台横には、このブックフェアの選書を担当された怪異怪談研究会によるパンフレット『怪異・怪談を学問するブックガイド』も無料配布されています。
また、明後日の8月18日(金)には、このブックフェアと連動したイベント「ビブリオバトルin紀伊國屋 今年の夕涼みビブリオバトルは怖い...(2017年8月18日) 」が催されます。

■開催日時 2017年8月18日 (金) 18:45開場 19:00ゲーム開始
19:00 ビブリオバトルin紀伊國屋 テーマ「怖い」
20:00 怪異怪談研究会トークイベント「怖い話はなぜ怖い?」
21時終了予定

■場所 紀伊國屋書店新宿本店8階イベントスペース
*ゲーム数、開催時間、開催場所は変更する場合がございます。

詳しくは紀伊國屋書店さんのサイトをご覧ください。↓
https://www.kinokuniya.co.jp/c/store/Shinjuku-Main-Store/20170714164251.html
観覧・入場 無料とのことなので、小社もこっそりまぎれこもうかと思います。

うちのネコちゃんやーい

本屋さんは冷房が効いていて避暑にはうってつけの場所です。
あんまり暑いので、さて、うちのネコちゃんはどこで涼んでいるのかなと都内の書店さんを訪ねています。
ネコちゃんというのはもちろん小社新刊『〈江戸怪談を読む〉猫の怪』(横山泰子・早川由美ほか著)のことです。

今日訪ねたのは、毎夏怪談本でお世話になっている、明屋書店中野ブロードウェイ店さん。
お店に入るや名物のサブカル棚に直行。
猫好きの担当者さんから強気のご注文をいただいたのですが…、ない、一冊もない。
ああ、変則的な古文が載っている本は売れずに返品されたのかな、と、肩をおとしてとぼとぼと帰ろうとすると、ばったり担当者さんとはちあわせ。
「すみません、売れなかったみたいですね」
「え?そんなことはありませんよ。健闘してます!」
と案内されたのはサブカル棚ではなく、なんと浮世絵本のコーナー。
暁斎北斎のあいだにはさまれて機嫌よさそうに踊るうちのネコちゃん(表紙絵は国芳「猫飼五十三疋」の部分を加工)。

(↑明屋書店中野ブロードウェイ店さんの許可を得て撮影・掲載)

鍋島直茂公400回忌

新聞や雑誌に本の広告を出すと掲載紙(誌)をいただけます。
特に地方紙の場合は、ふだん目にすることのないローカルニュースを読むことができるので楽しみです。
今回、小社では、新刊『〈江戸怪談を読む〉猫の怪』(横山泰子・早川由美ほか著)の広告を佐賀新聞に出稿(広)しました。
化け猫といえば佐賀藩鍋島家のお家騒動にからんだ物語がいちばん有名だからです。
そこで、佐賀新聞7月25日付朝刊に広告を出したのですが、送られてきた掲載紙を読んで面白い記事を見つけました。
「地域と縁 400回忌」と題された記事で、佐賀藩の藩祖鍋島直茂(1538〜1618)の400回忌の法要が営まれたことを報じたものです。
記事はネットでも読めます。↓
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10105/449179
この記事の最後に、この法要は「鍋島家と、同家に伝来する美術・歴史資料を管理する鍋島報效会が主催した」とありました。

実は、『猫の怪』に注・現代語訳とあわせて掲載した、鍋島化け猫騒動談の古いかたちと考えられる『肥前佐賀二尾実記』原文は、この鍋島報效会の所蔵する文書で、同会のご許可をいただいて掲載したものです。
戦国時代から続く旧家の所蔵する資料は、幕末に近くなってから脚色された歌舞伎と異なり、理由もなくあらわれた化け猫に翻弄される佐賀藩の人々と、この不明生物(?)による災害に、知略と武勇で対抗する佐賀藩士の忠義を描いた物語で、かの有名な『葉隠』を連想させる部分もあります。
詳しくは、早川由美さん担当の『猫の怪』第一部をご覧ください。