白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

月蝕

月蝕が見られるというので、仕事の手を休めて外に飛び出しました。

あいにくと薄い雲がかかっていましたが、お月さまが弦月よりも小さくなっていました。

写真は早稲田の神田川沿いから写したものです。

f:id:hakutakusha:20211119183644j:plain

神田川沿いから写した月蝕

かなりかすんでいますがご容赦ください。

『朝日新聞』〈論の芽〉「女言葉だわ、男言葉だぜ」に中村桃子さん

翻訳がつくる日本語』の著者・中村桃子さんのインタビュー記事が、『朝日新聞』(2021年11月13日朝刊)〈論の芽〉「女言葉だわ、男言葉だぜ」と題されたコーナーに掲載されました。
〈「女らしさ」の幻想まとう〉と題された記事で中村先生は、明治期、「下品だ」とされていた女学生の言葉を起源とする「女ことば」が、戦中、戦後の社会背景なか、その価値が高められていった経緯と、現代での「女ことば」がもたらす可能性について言及しています。

「女言葉が「女らしくないふるまい」をする女性の「よろい」のような役割を果たす、という面もあるのかもしれません。

 女言葉に「女らしさの押しつけ」ではなく、女性をエンパワーする役割を見いだせる日が、くるのかもしれません。」

〈論の芽〉には『ダ・ヴィンチ・コード』などの翻訳者である越前敏弥さん、米言語学者のマーク・リバーマンさんへのインタビュー記事も併載されており、いずれもとても興味深い内容です。朝日新聞の記事は以下を御覧下さい(有料記事)。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15110092.html?iref=comtop_Opinion_02

中村桃子さんの『翻訳がつくる日本語』については下記をご覧ください。↓

翻訳がつくる日本語 | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)

『怪と幽 vol.008』に広告を出しました―『皿屋敷』発売中です

発売中の『怪と幽 vol.008』に広告を出しました。

版元KADAKAWAさんのサイトはこちら↓

「怪と幽 vol.008 2021年9月」 京極 夏彦[怪] - KADOKAWA

広告が掲載されたのは、近藤史恵さんの人気連載「幽霊絵師火狂」シリーズ『夜鷹御前』の掲載された295頁です。

今回の広告は、毎日新聞書評欄で磯田道史氏に、読売新聞書評欄で木内昇氏に激賞された仮名垣魯文原著『安政コロリ流行記―幕末江戸の感染症と流言』、〈江戸怪談を読む〉シリーズから『死霊解脱物語聞書』、『実録四谷怪談―現代語訳『四ツ谷雑談集』』、『猫の怪』に『牡丹灯籠』というラインナップでした。

ところで、この『怪と幽』で楽しみにしているのは巻頭グラビア「令和画図百鬼」(イラスト・げみ)なのですが、なんと、今回のお題は「皿屋敷」ではないですか! 

後ろ手にくくられて、皿とともに井戸に突き落とされたお菊が、井戸の底からきっとにらみ上げる、迫力のある絵です。馬場文耕『皿屋舗辨疑録』の一節も引用されています。

そして、目次を見ると京極夏彦さんの人気連載『了巷説百物語』は「於菊蟲」ではありませんか。

しまったあああああああ! 広告に『皿屋敷』を入れておけばよかった。

小社の〈江戸怪談を読む〉シリーズ『皿屋敷』は好評発売中です。

巻頭グラビア「令和画図百鬼」で引用された馬場文耕『皿屋舗辨疑録』も収録しています。

今井秀和さんによるお菊虫論「お菊虫のフォークロア」には、今井さんの愛育されたお菊虫の写真もあります。

ぜひぜひ『皿屋敷』をよろしくお願いいたします。

詳しくは小社ホームページへ↓

皿屋敷 | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)

湘南蔦屋書店さんで「ケア論の世界フェア」開催中!

湘南蔦屋書店さんが展開中の「ケア論の世界フェア」の写真を送ってくださいました。

f:id:hakutakusha:20210903113844j:plain

小社刊『ケアするのは誰か?──新しい民主主義のかたちへ』(J・トロント著/岡野八代訳・著)が、小川公代さんのご新著『ケアの倫理とエンパワメント』(講談社)と『ケア宣言──相互依存の政治へ』(ケア・コレクティヴ著/岡野八代・冨岡薫・武田宏子訳、大月書店)と並んで展示していただいています。

f:id:hakutakusha:20210903114650j:plain

湘南蔦屋書店さん、ありがとうございます!

最寄りの方はぜひお立ち寄りください。

フェア期間、店頭在庫については湘南蔦屋書店さんのサイトをご覧ください。

湘南蔦屋書店さんのサイトはこちら↓

【フェア】人と人、人と地球を繋ぐ、ケア論の世界 | イベント | 湘南T-SITE | 蔦屋書店を中核とした生活提案型商業施設 (tsite.jp)

小社刊『ケアするのは誰か?』の書誌情報は白澤社ホームページでご覧いただけます。

ケアするのは誰か? | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)

『日刊スポーツ新聞』で『新敬語「マジヤバイっす」』紹介

『日刊スポーツ新聞』2021年8月16日付で、『新敬語「マジヤバイっす」――社会言語学の視点から』(中村桃子著)が紹介されました!

中嶋文明記者による要を得た解説と中村桃子さんへのインタビューです。

記事の冒頭をご紹介します。

東京オリンピック(五輪)ではスケートボード・ストリートの瀬尻稜さん(24)の解説が大反響を呼びました。トレンドワードの1位になり、他の解説者にも広がった「ゴン攻め」が新語・流行語大賞にノミネートされるのは確実視されているほか、「鬼やばいっすね」「いや~半端ねえっす」といった言葉遣い。NHKで解説者が使ったのは初めてとみられています。「っす」を「ス体」と命名した社会言語学者関東学院大教授・中村桃子さんに聞きました。【取材・構成=中嶋文明】」

中村さんへのインタビューでは「ス体」の新しい使い方についても取り上げられており、たいへん充実した記事となっております。

こちらで記事の全文を読むことができます。↓

五輪解説で反響「~っす」いい意味で裏切り、相手への敬意と親しみ同時表現(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース

ぜひご覧ください。

なお、中村桃子著『新敬語「マジヤバイっす」――社会言語学の視点から』の書誌情報については小社ホームページをご覧ください。↓

新敬語「マジヤバイっす」 | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)

 

白澤社公式ホームページ開設のお知らせ

このたび白澤社では公式ホームページを開設いたしました。

白澤社ホームページの表紙はこちら↓

白澤社 (hakutakusha.co.jp)

 

ホームページには、白澤社がこれまで刊行した書籍の目録も掲載されております。

刊行物のご案内はこちら↓

刊行物のご案内 | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)

 

なお、公式ホームページの開設にともない、これからは、新刊のお知らせ、重版出来のご案内はホームページにて行ないます。

小社刊行物ご購入についてのお問い合わせもホームページで受け付けます。

 

今後このブログでは、編集や営業の業務のあいまに担当者が感じたことなどをつづっていきたいと思います。

この白澤社ブログ(はてな版)同様、白澤社ホームページをよろしくお願いいたします。

白澤社ホームページ↓

白澤社 (hakutakusha.co.jp)

夏の夜には〈江戸怪談を読む〉シリーズを!

連日の雨で鬱陶しい日々が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

夏の夜の読み物といえば怪談です。

小社では〈江戸怪談を読む〉と銘打って、近世怪談に現代語訳と注釈を添えてご紹介するシリーズを刊行しております(既刊5冊)。

『死霊解脱物語聞書』(小二田誠二・広坂朋信ほか著)

『実録四谷怪談』(横山泰子・広坂朋信ほか著)

皿屋敷』(横山泰子・飯倉義之・今井秀和ほか著)

『猫の怪』(横山泰子・早川由美・今井秀和ほか著)

『牡丹灯籠』(横山泰子・斎藤喬・門脇大ほか著)

また、同シリーズのスピンオフとして、『新選百物語―吉文字屋怪談本 翻刻・現代語訳』(監修=篠原進/翻刻・注・現代語訳=岡島由佳/コラム=堤邦彦・近藤瑞木)もございます。

『新選百物語』をスピンオフとするのは、〈江戸怪談を読む〉叢書は芝居や映画、ノベライズなどで皆様よくご存じの怪談物語を、その原典やあまり知られていない別バージョンにさかのぼってご紹介しようという企画であるのに対して、『新選百物語』は単行本ではおそらく初めての翻刻と初めての注・訳になるからです。

もっとも、初めてと言えば〈江戸怪談を読む〉叢書も負けてはいません。

皿屋敷』では歌舞伎『播州皿屋敷』のルーツ『播州皿屋鋪細記』を初紹介。

『猫の怪』では鍋島化け猫伝説の原型『肥前佐賀二尾実記』翻刻と現代語訳を掲載。

といったように、各巻とも本書が初めて!という取り組みが仕掛けてあります。

夏の夜のお供に江戸怪談をお楽しみください。

f:id:hakutakusha:20190718123304j:plain