白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

『表象天皇制論講義』刊行

このたび白澤社では、茂木謙之介著『表象天皇制論講義―皇族・地域・メディア』を刊行いたしました。
今週末頃から全国の主要書店で発売される予定です。
新刊『表象天皇制論講義』概要
[書 名]表象天皇制論講義
[副 題]皇族・地域・メディア
[著 者]茂木謙之介
[頁数・判型]四六判上製、288頁
[定 価]3400円+税
ISBN978-4-7684-7976-6

f:id:hakutakusha:20190624140610j:plain

[内 容]
方法としての表象文化史を駆使した明快な天皇(制)論講義。本書は天皇だけではなく天皇の血統のスペアとしての皇族に着眼。中央政界での皇族の姿だけでなく、津軽、宮城、秩父など地域社会における表象に中央の規範からの逸脱を分析。さらに法維持暴力(ベンヤミン)の視点から、幕末から戦前、戦中、戦後を経て、平成のサブカルチャーまで、メディアにおける天皇・皇族表象を読み解き、表象の集積体としての天皇(制)に迫る。

[執筆者]
茂木謙之介(もてぎけんのすけ)
1985年、埼玉県生まれ。2009年東北大学文学部卒業。2011年東北大学大学院文学研究科博士前期二年の課程を修了。2016年東京大学大学院総合文化研究科博士課程を修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員を経て、2018年より足利大学工学部講師。
専攻は日本近代文化史・表象文化論。現在の研究テーマは地域社会における皇族表象の検討を通した天皇(制)研究および〈幻想文学〉をキーワードとした日本近代文学・メディア史の研究。
著書に『表象としての皇族──メディアにみる地域社会の皇室像』(吉川弘文館、2017)、編著に『怪異とは誰か』(一柳廣孝監修、青弓社、2016)がある。

[目 次]
序 章 表象の集積体としての天皇(制)──方法と視座
第一章 天皇像の近世・近代・戦後
第二章 近代天皇像の形成と維持
第三章 行幸啓・「御成」という契機
第四章 〈御真影〉という装置
第五章 検閲というシステム
第六章 大衆社会とメディア消費──戦前戦中期メディアのなかの皇族表象
第七章 僻地と国民国家──戦前期秩父における秩父宮の表象
第八章 危機と奇跡──天皇・皇族の「瑞祥」言説
第九章 〈人間天皇〉とその周辺──戦後皇族表象の連続性
第十章 弱者と超越性──現代における天皇(制)表象

以上、ご期待ください。