白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

新刊『新敬語「マジヤバイっす」』発売開始!

春の新刊『新敬語「マジヤバイっす」――社会言語学の視点から』(中村桃子著)の書店店頭での発売が始まりました。

新刊『新敬語「マジヤバイっす」』は、「そうっすね」「マジっすか」などの「っす」言葉を言語学的に研究した初の書です。

『新敬語「マジヤバイっす」』の書誌データは以下の通りです。

[書 名]新敬語「マジヤバイっす」

[副書名]社会言語学の視点から

[著 者]中村桃子(なかむら ももこ)

[頁数・判型]四六判並製、224頁

[定 価]2200円+税

ISBN978-4-7684-7979-7 C0081 ¥2200E

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【著者】

中村桃子(なかむら ももこ)

関東学院大学教授。博士。専攻は言語学

著書にGender, Language and Ideology: A Genealogy of Japanese Women’s Language (John Benjamins)、『翻訳がつくる日本語──ヒロインは「女ことば」を話し続ける』(白澤社)、『女ことばと日本語』(岩波新書)、『〈性〉と日本語──ことばがつくる女と男』(NHKブックス)、『「女ことば」はつくられる』(ひつじ書房、第27回山川菊栄賞受賞)、『ことばとフェミニズム』『ことばとジェンダー』(勁草書房)ほか。共著にThe Handbook of Language, Gender, and Sexuality (Blackwell),『連続講義 暴力とジェンダー』(白澤社)、『ジェンダーで学ぶ言語学』(世界思想社)ほか。訳書に『ことばとセクシュアリティ』(三元社)ほか。

【内容】

「そうっすね」「マジっすか」など、ヤンキー・ガテン系・体育会系の若者ことばと言われる「っす」言葉。

この言葉を、自分を表現したり、お互いの関係を調整するうえでとても重要な働きをする「○○ことば」の一つとして「ス体」と名付け、「ス体」が使われていくことによってさまざまに意味付けされていく過程を追う。

日常会話で使われている「ス体」の意味、そして、メディアで使われることによる意味の変化、さらに、ジェンダーや敬語についての考え方にどのような影響があるのかを分析する。

「ス体」は若者の下品で失礼な言葉づかいという“常識”が、くつがえる!?

【目次】

第1章 「ス体」という言葉づかい──形成過程・言語要素・イデオロギー

第2章 男子大学生の「ス」の使い方──親しい丁寧さ

第3章 メディアのことば──ことばの表象と社会変化

第4章 「ス」は丁寧語じゃないっす──ウェブサイト『発言小町』における評価

第5章 男性がテレビCMで使う「ス体」──主導的男性性の揺らぎと維持

第6章 女性がテレビCMで使う「ス体」──新しい女性性の創造?