白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

「小説推理」で『死霊解脱物語聞書』紹介

「小説推理」9月号(双葉社)の「今月のベスト・ブック 幻想と怪奇」欄で、小社刊『死霊解脱物語聞書』が取り上げられました。
「小説推理」さんのサイト↓
http://www.futabasha.co.jp/magazine/suiri.html
執筆してくださったのは、怪談専門紙「幽」編集長の東雅夫さん。
怪談専門紙「幽」さんの公式サイト↓
http://www.mf-davinci.com/yoo/
さて、東雅夫さんは、藤崎慎吾『遠乃物語』(光文社)、ウェイクフィールド『ゴースト・ハント』(創元推理文庫)と並べて『死霊解脱物語聞書』をとりあげてくださいました。
該当箇所を引用させていただきます。

東北に遠野あれば、関東に羽生村あり−〈江戸怪談を読む〉叢書の一冊としてこのほど刊行された『死霊解脱物語聞書』(白澤社発行/現代書館発売)は、いわゆる「累」怪談のルポルタージュとして名高い同書を、国文学者・小二田誠二の解題解説、ライター/編集者・広坂朋信の注と大意により、現代の読者にも親しみやすい形で紹介する好企画である。江戸の怪談文芸/芸能の源流というべき「累」の物語を、実際に茨城の寒村で起きた事件として追及したこの『聞書』は、現代における怪談実話の先駆でもあった。「怪談を扱うとき、我々は、事件の虚構性を穿鑿する必要はない。事実か虚構か、という対立を越えて、認識そのものが事実なのだ。そういう意味で、怪談こそ本質的にノンフィクションである」という解説中の挑発的な一文に、思わず瞠目かつ共感させられた次第。

「好企画」の三文字に担当者が感涙にむせんでおります。
東雅夫さん、ご高評ありがとうございました。