白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

今日は猫の日

今日は猫の日なんだそうですね。
猫といえば、小社の刊行物には、横山泰子・早川由美ほか著『〈江戸怪談を読む〉猫の怪』があります。
怖い化け猫ばかりではなく、飼い主を助けてくれた猫、不思議でもありおかしみもある猫の言動、幸運をもたらす招き猫についても、それぞれ江戸時代の伝説・物語・逸話などからご紹介しております。
「今日は猫の日かあ」とつぶやきながら、ひとり読書をしていると、こんなことがあるかもしれません。

ある人が風の吹きすさぶ夜に灯火のもとで一人読書をしていると、飼い猫が「へろへろ」とやってきて手を前につかえ、「さぞ淋しく居られませう」と言った。動ぜずにキッと猫を睨んだ主人は、飼い主を思って言葉を喋るとは殊勝なこと、さあ、ともに語るべしと答えた。すると猫は主の顔をつくづくと眺めたのち、たちまち座を去ってそれきり姿を消してしまったという(平尾魯遷『谷の響』)。


『猫の怪』第五章、今井秀和さん執筆の「江戸の噂と怪猫―猫はなぜ喋るのか」の一節です。
寒い夜にはこんな話が身に沁みます。
猫の怪 | 白澤社

バレンタインデイのプレゼントの一例

定番のチョコレートと『カントの政治哲学入門──政治における理念とは何か』(網谷壮介著)。

そもそもカントの生きた時代(18世紀末ドイツ)のチョコとは飲料のことであって云々という話を棚上げにすれば、カントとチョコの取り合わせはベストマッチ(あくまで個人の感想です)。
小社ではチョコレートは扱っておりません(写真は見本です)。

バレンタインデーに『カントの政治哲学入門』を贈ろうキャンペーン♡♡♡

もうすぐバレンタインデーですね。
プレゼントには定番のチョコもいいですが、本もすてきな贈り物になります。
小社の新刊『カントの政治哲学入門――政治における理念とは何か』(網谷壮介著)はいかがでしょうか。
カバーのカント先生の肖像がチョコレート色に見えませんか?

内容は充実しています。「理論と実践」「啓蒙とは何か」「永遠平和のために」などで個別に論じられているカントの政治論を、『人倫の形而上学・法論』を軸に一貫した政治哲学として読み解き、その全体像を明確に描き出した力作です。「入門」とありますが、初学者だけではなく広くカント再読をうながす好著です。
意中のカント君にアプローチできる『カントの政治哲学入門』は、全国の主要書店で好評発売中です。
哲学書の「カント」コーナーか、政治思想のコーナーにあるはずです。見当たらなければ勇気を奮い起こして、店員さんに告白してください。「網谷壮介さんの『カントの政治哲学入門』はどこですか?」と。健闘を祈ります!

『三木清遺稿「親鸞」』は有ります

ご好評いただいております子安宣邦編著『三木清遺稿「親鸞」』は、某大手オンライン書店では品切れ状態が続いています(2018年1月26日18時現在)が、在庫はございます。

また、横山泰子・早川由美・門脇大ほか著『〈江戸怪談を読む〉猫の怪』も、某大手オンライン書店では品切れ状態が続いています(2018年1月26日18時現在)が、こちらも在庫はございます。

両書とも、昨年刊行したばかりの本で、現在も新刊書店で流通しております。
さらに、ガート・ビースタ著『よい教育とはなにか』も、某大手オンライン書店では品切れ状態が続いています(2018年1月26日18時現在)が、同書の在庫もございます。

読者の皆様にはお手数をおかけいたしますが、最寄りの書店さんを通してご注文いただければ幸いです。

重版準備中

ご好評いただいております佐々木聡著『復元 白沢図――古代中国の妖怪と辟邪文化』は品薄状態が続き、現在、重版に向けて準備を進めております。

まだ店頭在庫をお持ちの書店さんもありますので、お急ぎの方はお手数でも書店さんにお問い合わせください。
在庫状況をネットで公開している書店さんも複数ございます。

『哲学のモンダイ』は有ります

ご好評いただいております永野潤著『哲学のモンダイ』は、某大手オンライン書店では品切れ状態が続いています(2018年1月16日18時現在)が、在庫はございます。
毎年、この時期になると、一時的に品薄状態になりますが、小社刊、永野潤著『哲学のモンダイ』は2016年に重版(三刷)し、現在も新刊書店で流通しております。

読者の皆様にはお手数をおかけいたしますが、最寄りの書店さんを通してご注文いただければ幸いです。

謹賀新年2018

あけましておめでとうございます。
白澤社は本日より通常通りの営業を始めました。
今年(2018)は戌年
イヌは人類の最良の友といわれます。小社も読書家の最良の友たるべく精進してまいります。
今年も、気鋭の著者による論考『カントの政治哲学入門』(網谷壮介著)を先頭に、人文・社会のジャンルで出版活動を展開いたします。
また、昨年刊行してご評判をいただき品薄状態の続いていた『復元 白沢図』(佐々木聡著)を重版いたします。
本年もどうかよろしくお願いいたします。

2017年仕事納め

白澤社は今日が仕事納めです。
明日から年明け1月3日まで、年末年始のお休みとなります。
2018年1月4日から平常通りに営業いたします。
今年は、下記の5点の単行本を刊行いたしました。

『復元 白沢図』


[書 名]復元 白沢図
[副書名]古代中国の妖怪と辟邪文化
[著 者]佐々木聡 著
[体 裁]四六判上製、176頁
[定 価]2000円+税
週刊文春」誌、「スポーツ報知」紙、「東方」誌などでご紹介いただいたほか、『鬼灯の冷徹』ファンの皆さんにも面白がっていただいたことは驚きでした。
社名の由来にかかわるテーマだけに、売行き度外視、うちが出さずにどうする、という気合いで出した本ですが、意外なご好評をいただいて、ただいま品薄状態。年明けに重版予定です。

『希望について』


[書 名]希望について
[副書名]続・三木清『人生論ノート』を読む
[著 者]岸見一郎 著
[頁数・判型]四六判並製、176頁
[定価]:1700円+税
NHKEテレ「100分de名著」で取り上げていただいた同著者の『三木清『人生論ノート』を読む』の続編です。
また、今年は三木清生誕120年にあたる年だということで、講談社文芸文庫から大澤聡さん編のアンソロジー三木清大学論集』『三木清教養論集』『三木清文芸批評集』も刊行され、岸見一郎さんと大澤聡さんのトークイベントも開催されました。
お陰さまで『三木清『人生論ノート』を読む』は重版いたしました。

『猫の怪』


[書 名]〈江戸怪談を読む〉猫の怪
[著 者]横山泰子・早川由美・門脇大・今井秀和・飯倉義之ほか
[頁数・判型]四六判並製、224頁
[定価]:2000円+税
西日本新聞などでご紹介いただきました。
化け猫といえば佐賀。今年は佐賀藩の藩祖鍋島直茂公の400回忌だったそうです。有能な戦国武将だった直茂公は妖怪など笑い飛ばしていたかもしれませんね。

三木清遺稿「親鸞」』


[題名]三木清遺稿「親鸞
[副書名]死と伝統について
[編著者]三木清・著/子安宣邦・編著
[体裁]四六判並製、152頁
[定価]1600円+税
出版ニュース」誌などでご紹介いただきました。
編集担当者が、自分が読みたくて企画したというわがままな本です。
三木清の獄死によって未完に終わった遺稿「親鸞」をどう読んだらよいのか。小社から『歎異抄の近代』を出された子安宣邦先生による解読とともに、関連する三木自身の文章を復刻して一冊にまとめました。
三木の負の側面というか、時代の制約が如実にあらわれた文章も収録しています。

『元町医者の人生哲学』


[題名]元町医者の人生哲学
[副書名]老いと病と死と世の中のこと
[著者]乾達・乾律子著
[体裁]A5判並製、240頁
[定価]2000円+税
小社刊『統合失調症からの回復のヒント』の著者・乾達医師と、そのお連れ合い乾律子医師によるエッセイ集です。
乾達先生が、四十年以上、町医者として多くの患者さんに接してきた経験をふまえ、未来の社会を築く人々に向けたメッセージをつづった月刊の個人紙「あしたへ」の五年分をテーマごとに再構成。達先生とともに医院をささえた律子先生の温かいまなざしのあふれるエッセイも収録。

よいお年を!

中国文化史、哲学的人間学、近世怪談、宗教思想、医事エッセイとジャンルはさまざまですが、僭越ながら、今これが大事・今これが面白いと思うテーマに取り組んできたつもりです。
さて来年は、カント政治哲学の現代的意義を解明した『カントの政治哲学入門』(網谷壮介著)の刊行を皮切りに、今これが面白いと思う本の出版に精いっぱい取り組んでまいります。
それでは、よいお年をお迎えください。