白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

2017年仕事納め

白澤社は今日が仕事納めです。
明日から年明け1月3日まで、年末年始のお休みとなります。
2018年1月4日から平常通りに営業いたします。
今年は、下記の5点の単行本を刊行いたしました。

『復元 白沢図』


[書 名]復元 白沢図
[副書名]古代中国の妖怪と辟邪文化
[著 者]佐々木聡 著
[体 裁]四六判上製、176頁
[定 価]2000円+税
週刊文春」誌、「スポーツ報知」紙、「東方」誌などでご紹介いただいたほか、『鬼灯の冷徹』ファンの皆さんにも面白がっていただいたことは驚きでした。
社名の由来にかかわるテーマだけに、売行き度外視、うちが出さずにどうする、という気合いで出した本ですが、意外なご好評をいただいて、ただいま品薄状態。年明けに重版予定です。

『希望について』


[書 名]希望について
[副書名]続・三木清『人生論ノート』を読む
[著 者]岸見一郎 著
[頁数・判型]四六判並製、176頁
[定価]:1700円+税
NHKEテレ「100分de名著」で取り上げていただいた同著者の『三木清『人生論ノート』を読む』の続編です。
また、今年は三木清生誕120年にあたる年だということで、講談社文芸文庫から大澤聡さん編のアンソロジー三木清大学論集』『三木清教養論集』『三木清文芸批評集』も刊行され、岸見一郎さんと大澤聡さんのトークイベントも開催されました。
お陰さまで『三木清『人生論ノート』を読む』は重版いたしました。

『猫の怪』


[書 名]〈江戸怪談を読む〉猫の怪
[著 者]横山泰子・早川由美・門脇大・今井秀和・飯倉義之ほか
[頁数・判型]四六判並製、224頁
[定価]:2000円+税
西日本新聞などでご紹介いただきました。
化け猫といえば佐賀。今年は佐賀藩の藩祖鍋島直茂公の400回忌だったそうです。有能な戦国武将だった直茂公は妖怪など笑い飛ばしていたかもしれませんね。

三木清遺稿「親鸞」』


[題名]三木清遺稿「親鸞
[副書名]死と伝統について
[編著者]三木清・著/子安宣邦・編著
[体裁]四六判並製、152頁
[定価]1600円+税
出版ニュース」誌などでご紹介いただきました。
編集担当者が、自分が読みたくて企画したというわがままな本です。
三木清の獄死によって未完に終わった遺稿「親鸞」をどう読んだらよいのか。小社から『歎異抄の近代』を出された子安宣邦先生による解読とともに、関連する三木自身の文章を復刻して一冊にまとめました。
三木の負の側面というか、時代の制約が如実にあらわれた文章も収録しています。

『元町医者の人生哲学』


[題名]元町医者の人生哲学
[副書名]老いと病と死と世の中のこと
[著者]乾達・乾律子著
[体裁]A5判並製、240頁
[定価]2000円+税
小社刊『統合失調症からの回復のヒント』の著者・乾達医師と、そのお連れ合い乾律子医師によるエッセイ集です。
乾達先生が、四十年以上、町医者として多くの患者さんに接してきた経験をふまえ、未来の社会を築く人々に向けたメッセージをつづった月刊の個人紙「あしたへ」の五年分をテーマごとに再構成。達先生とともに医院をささえた律子先生の温かいまなざしのあふれるエッセイも収録。

よいお年を!

中国文化史、哲学的人間学、近世怪談、宗教思想、医事エッセイとジャンルはさまざまですが、僭越ながら、今これが大事・今これが面白いと思うテーマに取り組んできたつもりです。
さて来年は、カント政治哲学の現代的意義を解明した『カントの政治哲学入門』(網谷壮介著)の刊行を皮切りに、今これが面白いと思う本の出版に精いっぱい取り組んでまいります。
それでは、よいお年をお迎えください。