白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

『小説推理1月号』で『江戸の残映』紹介

小社刊『江戸の残映――綺堂怪奇随筆選』の編者・東雅夫さんが雑誌『小説推理1月号』(双葉社)で取り上げてくださいました。

『小説推理』誌の詳しい目次などはこちら↓

小説推理 2023年1月号 | 双葉社 公式 (futabasha.co.jp)

東さんは、「今月のベスト・ブック」欄で、ピエール・マッコルラン『北の橋の舞踏会/世界を駆けるヴィーナス』(国書刊行会)、松村進吉『丹吉』(KADOKAWA)、皆川博子『書物の森の思い出』(日下三蔵編/河出書房新社)と並べて『江戸の残映』を紹介してくれました。

同誌より該当箇所を抜粋いたします。

 十月十五日は、モダン・ホラーの大いなる先覚者・岡本綺堂の記念すべき百五十回目の生誕日だった。岡山の勝央美術文学館では、小中学生を対象にした怪談コンクール(すごいハイレベル!)の贈賞式と合わせて、記念式典が盛大に開催された。

 生誕百五十年記念出版の第三弾となる『江戸の残映 綺堂怪奇随筆傑作選』(白澤社)も、担当編集者の驚異的な、渾身の頑張りのおかげで無事、式典開催に間に合わせていただきありがたきかぎり。本書は、綺堂先生が大好きなおばけ話を中心にセレクトされた初の一巻本選集、なのだが、巻頭には何故か、おばけとは無縁な磯部温泉に由来する「磯部の若葉」「磯部のやどり」の両篇が収められている。群馬県の磯部は、綺堂が気に入って、大正期に頻繁に滞在した名湯で、多くの代表作が、この地で執筆されている。今回収録の両篇は、地元ゆかりの〈赤穂浪士になれなかった男〉大野九郎兵衛の伝承にまつわる作品で、その凝縮された文体が見事。綺堂一流の語り口を満喫できること請合の名品である。

 お得意の江戸おばけ話は言わずもがな、人形愛に満ちた佳品や迫真の震災話など人間綺堂の魅力を知るのに最適の一巻と信ずる。(『小説推理1月号』199頁より)

少々、担当編集者を誉めすぎかなと思います。担当がガラにもなく張り切っていたのは『クダン狩り』の刊行が遅れに遅れたお詫びのつもりなのでしょう。

そもそも岡本綺堂生誕百五十年記念出版が翌年になったら笑いものです。間に合わせて当然。

「人間綺堂の魅力を知るのに最適の一巻」の詳細はこちら↓

江戸の残映 | 白澤社 (hakutakusha.co.jp)