新刊『安政コロリ流行記―幕末江戸の感染症と流言』ヒット祈願のため、『安政箇労痢流行記』の原著者、仮名垣魯文のお墓参りに行ってきました。
篠原進さんに寄せていただいた巻頭言(「江戸のネコ歩き―安政の魯文」)によれば、魯文のお墓は、東京都台東区谷中にあるそうです。篠原さんの名調子を引きます。
「魯文の墓は東京谷中の永久寺にある。地下鉄千駄木駅から約一〇分。古民家を改造した猫カフェを横目に三崎坂を上りきると、山門にたどり着く。」(『安政コロリ流行記』7頁より)
地下鉄千駄木駅を出て、団子坂を背にして上っていく坂道が三崎坂です。
どこか見たような街並みに〈江戸怪談を読む〉『牡丹灯籠』のための取材で訪れたことを思い出しました(坂の途中に怪談噺『牡丹燈籠』で有名な三遊亭圓朝の墓所のある全生庵)。
さらに上っていくと、篠原さんの書いているように道の左側にいま流行りの猫カフェがあり、その先の右手に、曹洞宗寺院永久寺の山門があります。
山門をくぐるとすぐに本堂、その右に仮名垣魯文の墓碑がありました。
その隣には魯文の飼い猫の夫婦塚がありました。魯文は友人・成島柳北に「猫々道人(みょうみょうどうじん)」と異名をつけられるほどの猫好きだったそうです。
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