白澤社ブログ

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『週刊東洋経済』で『河田嗣郎の男女平等思想』紹介

本日発売の『週刊東洋経済』誌2021年2月13日号で、『河田嗣郎の男女平等思想──近代日本の婦人問題論とジェンダー』(亀口まか著)が紹介されました!

日本経済新聞西日本新聞南日本新聞に続く快挙であります。

書評が掲載されたのは、『週刊東洋経済』誌のブックレビュー欄で、評者は会田弘継さん(関西大学客員教授)。

会田さんの書評から、河田嗣郎という人物を紹介した一部を抜粋いたします。

「生涯で60冊以上の著書を出版、女性問題のほか、農業経済、家族論、労働、土地問題など多彩な分野で近代日本の課題を追究し、それぞれの分野で現在も高い評価を得ている。ただ、戦中に急死し、活動領域が広すぎたことなどもあり包括的評価を得る機会を逸した。

 本書は、その河田に関する初の本格的研究書だ。」(中略)

「河田は明治末期に社会主義や資本主義を論ずる著書とともに『婦人問題』を著したが、その徹底した男女同権論のため事実上発禁となった。大正期に入るとさらに先進的な男女同権論を繰り広げて、むしろ男女の違いを強調する女性解放運動家、平塚らいてうと論争を巻き起こした。河田は性別を社会的につくられたものとしてみる視点を当時から獲得しており、1970年代以降のジェンダー論を先取りしていた。」(『週刊東洋経済』第6970号99頁より)

会田さんは以上のように河田嗣郎と本書の内容を紹介してくださったうえで、「河田は戦前期の関西知識社会を研究する上での重要人物であり、本書はその意味でも大きく貢献している」と評してくださいました。

版元・東洋経済新報社さんによる『週刊東洋経済』のサイトはこちら↓

週刊東洋経済2021年2月13日号 | 東洋経済STORE (toyokeizai.net)

会田さん、ありがとうございました。

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