白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

「週刊読書人」で『異世界と転生の江戸』紹介!

週刊読書人」2020年1月24日号(3324号)で、今井秀和著『異世界と転生の江戸―平田篤胤松浦静山』が紹介されました!
週刊読書人」さんのサイト「週刊読書人ウェブ」↓
https://dokushojin.com/new_list.html
評者は、作家・郷土史家の福島サトルさん。ご著書に、短編集『とくさ』(『角川ホラー文庫』)、絵本『はいけい、たべちゃうぞ』(BL出版)がある作家さんです。
福島さんは「篤胤の情熱、静山の冷徹」と題して本書『異世界と転生の江戸』の読みどころをご紹介くださいました。
書き出しと結論部分を抜粋させていただきます。
「江戸後期、天狗にさらわれ異世界を見てきたという少年・寅吉が現れ大騒ぎになった。その寅吉の証言を国学者平田篤胤がまとめた『仙境異聞』が昨年、異例のベストセラーとなり、現代人を驚かせた。本書は、篤胤と同時代に怪異譚を多く含む一大随筆集『甲子夜話』を著した平戸藩主の松浦静山、さらに両者を取り巻く知識人ネットワーク(サロン)に着目。異世界譚が広まった社会状況や成立過程を丁寧に読み解いていく。」 
「寅吉の登場から200年。怪異譚は器用に姿を変えながら、相変わらず世間を騒がせている。これまで世界には幾人もの寅吉や勝五郎が現れた。そしてまた、怪異に魅かれる篤胤や静山も生まれ続けている。おそらくは著者もその一人であって、だからこそ本書は現代を再照射する魅力にあふれている。」
ちなみに福島サトルさんは、篤胤と静山の関係についてこんな指摘もしています。
「仮にそのころSNSがあって二人が利用していたとしたら、「共通の友だち」がやたら多いのに決して直接にはつながらない――そんな関係だったかもしれない。」
これは言いえて妙で、小社では大うけしました。
何がそんなに面白いかというと…、それは本書をお読みください。

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異世界と転生の江戸』の書誌データは下記の通りです。

[書 名]異世界と転生の江戸
[副書名]平田篤胤松浦静山
[著 者]今井秀和
[頁数・判型]四六判並製、240頁
[定 価]2500円+税
ISBN978-4-7684-7977-3