白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

江戸前の人魚―『異世界と転生の江戸』より

いよいよ明日はハロウィンですね。
どんな仮装にしようか迷っている方は、西洋妖怪もいいですが、和物はいかがでしょう。
新刊『異世界と転生の江戸』(今井秀和著)には、江戸時代の奇妙な生物たちが登場します。
例えば、人魚はどうでしょう。
夜風の冷たいこの時期に露出が多いのはちょっとな、と思われるかもしれませんが、江戸前の人魚なら大丈夫。
江戸前の人魚って、どんなものか、「江戸ガイド」さんの「江戸時代の人魚」画像をご覧ください↓
https://edo-g.com/blog/2015/11/edo_uma.html/ningyo_kawaraban_l

肩まで魚ですね。
ウロコ模様の毛布かなにかを加工すれば簡単にできますね。
これなら寒い夜でも暖かに過ごせます。


異世界と転生の江戸』によれば、人魚が今のような露出多めになったのは、西洋のマーメイドの知識が日本に入ってきたからなのだそうです。
その結果、玄界灘で、「女容にして色青白く、髪は薄赤色にして長かりし」、いかにも人魚姫的な姿が目撃されたそうです。
ほんとです。平戸藩藩主・松浦静山候の伯父上・伯母上が見たとおっしゃっているのですから、江戸時代的には信用度高めです。

それではよいハロウィンを。

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