白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

映画『累-かさね-』と「累の会」

話題の映画『累-かさね-』(佐藤祐市監督)を鑑賞してきました。
評判にたがわぬ傑作で、若手演技派女優二人の競演に心を奪われました。
映画『累-かさね-』の公式サイトはこちら↓
http://kasane-movie.jp/
どうしてこの映画を観に行ったかといいますと、この映画の原作は、松浦だるまさんの人気コミック『累』1〜14巻(講談社)なのです。
講談社さんによる公式サイトはこちら↓
http://evening.moae.jp/lineup/266
そして『累』の最終巻、第14巻の巻末には、参考資料として小社刊『死霊解脱物語聞書』(小二田誠二翻刻・解説)が挙げられているのです。

『死霊解脱物語聞書』は、醜い容貌のために夫にうとまれ殺されてしまった累という女性の亡霊が、後妻の娘に憑りついて夫の旧悪を暴露する物語ですが、『累』の作者・松浦だるまさんは本書を読んで、醜い容姿のヒロインが他人と入替るという着想を得たのだそうです。
映画『累-かさね-』では、顔に醜い傷のある累と美しい女優ニナが入れ替わるという複雑な設定を、土屋太鳳さん(ニナ-累)と芳根京子さん(累-ニナ)が演じきって感動的でした。
江戸時代に最も知られていた実話怪談『死霊解脱物語聞書』が、演劇の世界を舞台にくりひろげられる妖しくも美しいドラマとなって現代に甦りました。
なお、今週末の9月15日(土)には、コミック『累』の完結と、映画『累-かさね-』の公開を記念して、怪談累ヶ淵をテーマに語らうイベント「累の会」が伊豆極楽苑にて開催されるそうです。
コミック『累』の作者松浦だるまさんや、『死霊解脱物語聞書』の監修者小二田誠二さんのほか、能楽師の安田登さん、怪談アンソロジスト東雅夫さんも参加されます。
このイベントの詳細・お問い合わせ・お申し込みについては伊豆極楽苑さんのサイトをご覧ください。↓
http://izu-gokurakuen.com/kasanenokai/info.html
どんなトークが繰り広げられるのか楽しみです。