白澤社ブログ

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『カントの政治哲学入門』刊行

このたび白澤社では、網谷壮介著『カントの政治哲学入門──政治における理念とは何か』を刊行いたしました。
来週中頃には全国の主要書店で発売される予定です。

新刊『カントの政治哲学入門』概要

[書名]カントの政治哲学入門
[副題]政治における理念とは何か
[著者]網谷壮介
[体裁]四六判並製、208頁
[定価]2000円+税
ISBN978-4-7684-7969-8

内容

自由権から社会契約論、共和制、国際平和まで、最新の研究成果にもとづいてカント政治哲学の全体像を鮮明に描き出し、その現代的意義を伝える清新な入門書。
・政治における自由の理念の重要さを語り続けたカント政治哲学の意義を平明に説いた。
・『啓蒙とは何か』『永遠平和のために』『諸学部の争い』など、個別のテーマごとに論じられたカントの政治論的著作を、最新の研究成果にもとづき『人倫の形而上学・法論』を軸に一貫した政治哲学として読み解き、その全体像を描き出した。
ホッブズやロックとは異なる、カントの社会契約論の独自の意義を明らかにした。
・現代のアーレントロールズによるカント解釈を、すでにカント自身が先取りしていることを指摘した。
・カントの自由論や平和論を十八世紀ヨーロッパの歴史的文脈のなかでとらえ直すとともに、時代の制約を越えたカント政治哲学の可能性を示した。

目次

はじめに──カントの政治哲学の意義
第一章 自由の権利──法のもとでの自由とは何か
第二章 社会契約論──国家の設立は義務である
第三章 共和主義の理念と制度
第四章 永遠平和のために──国際法世界市民

著者

網谷壮介(あみたにそうすけ)
1987年大阪府生まれ。
京都大学経済学部卒、東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程修了。博士(学術)。東京大学学術研究員、神奈川工科大学非常勤講師。主な論文として「政治・道徳・怜悧――カントと執行する法論」『政治思想研究』第14号、2014年。「カントの共和制の諸構想と代表の概念」『社会思想史研究』第40号、2016年。