今日は戦前・戦中に活躍した哲学者・評論家の三木清の命日です。
さて、このたび白澤社では、子安宣邦編著『三木清遺稿「親鸞」──死と伝統について』を刊行いたしました。
今週末頃には全国の主要書店で発売される予定です。
新刊『三木清遺稿「親鸞」』概要
[題名]三木清遺稿「親鸞」──死と伝統について
[編著者]三木清 著/子安宣邦 編著
[体裁]四六判並製、152頁
[定価]1600円+税
ISBN978-4-7684-7967-4 C0010 \1600E
内容
「なお現在に生命をもつ三木の文章とはこれである。」(編者)
終戦から40日後の1945年9月26日、豊多摩刑務所に拘留されていた哲学者・三木清は解放されることなく無念の死をとげた。
三木の疎開先から見つかった未完の原稿「親鸞」は、彼の死の翌年にその理不尽な死への怒りとともに、唐木順三によって『展望』創刊号(筑摩書房)に掲載された。
三木は親鸞の思想をどのように読もうとしたのか。ここに遺稿「親鸞」を日本思想史家による解読とあわせて復刻する。
三木の遺稿「親鸞」と、編者が解読にあたり参照した主なテキストを併載。
私は三木の遺稿「親鸞」が読み直されることを願っている。だがそれが本当に読み直され、三木の思念が我々に再生するかどうかは、この時代を我々の内においても外においても根源的な転換が遂げられねばならぬ末法の時代として自覚するかどうかにかかっている。(本書22頁、編者による序「遺稿「親鸞」から三木清を読む」(子安宣邦)より)
目次
序 遺稿「親鸞」から三木清を読む(子安宣邦)
一 親鸞(三木清)
二 死について(三木清『人生論ノート』より)
三 孤独について(三木清『人生論ノート』より)
四 宗教について(三木清「手記」より)
〔附録〕
1 伝統論(三木清)
2 死と教養について(三木清)
結語 三木の死と遺稿「親鸞」の生命(子安宣邦)