白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

三木清ブーム到来か?

週末は、東京駅前の八重洲ブックセンター本店さんで開催されたトークイベント「生誕120年目に甦る、 哲学者・三木清の言葉〈対談〉大澤聡さん×岸見一郎さん」に参加してまいりました。

会場は満席。講談社文芸文庫より『三木清教養論集』と『三木清大学論集』を出された大澤聡さんと、小社から『三木清『人生論ノート』を読む』と『希望について――続・三木清『人生論ノート』を読む』を出された岸見一郎さんの初顔合わせに、みなさん興味津々で聞き入っていました。
トークは、読書論を皮切りにして、三木清という思想家との出会い、岸見一郎さんが出演しているEテレ「100分de名著」の舞台裏、戦前と現代について、批評についてなど、さまざまなテーマが語り合われて興味深い対談となりました。
【写真はイベント終了後、主催の講談社さんのご許可をいただいて撮影・掲載】

中公文庫版『哲学ノート』

今夜は岸見さんの解説による「100分de名著」の最終回↓
http://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/64_jinseiron/index.html#box04
三木清『人生論ノート』の最初の章である「死について」と、最後に執筆された「希望について」があつかわれるようです。
もう一つ、三木清関連のニュースとしては、中公文庫版『哲学ノート』が増刷されました。
中央公論新社さんのサイト↓
http://www.chuko.co.jp/bunko/2010/04/205309.html
『哲学ノート』は生前の三木が自ら編んだ自選論文集。
なかでも、「伝統論」は『人生論ノート』の「死について」と深い関連をもつ論文です。

小社刊『三木清『人生論ノート』を読む』の第8章「死と伝統」では、『哲学ノート』の「伝統論」と『人生論ノート』の「死について」の関連をふまえて三木の死生観を読み解いています。
三木清『人生論ノート』を読む』は明日、重版出来予定です。