白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

「週刊新社会」で『管野スガ再考』紹介

12月2日付「週刊新社会」紙で、関口すみ子著『管野スガ再考』が紹介されました。
執筆してくださったのは、女性史研究家の鈴木裕子さんです。
鈴木裕子さんは今さらご紹介するまでもなく、『山川菊栄女性解放論集』全3巻(岩波書店)、『山川菊栄評論集』(岩波文庫)の編纂や『自由に考え、自由に学ぶ 山川菊栄の生涯』(労働大学)などのご著書にまとめられた山川菊栄研究、また『女性史を拓く』シリーズ全4巻(未來社)などで知られる女性史研究の第一人者です。
今回の記事は「週刊新社会」紙の「本の紹介」というコーナーで、同じ関口すみ子さんが書かれた『良妻賢母主義から外れた人々』(みすず書房)とあわせて紹介されています。
ちなみにみすず書房さんから出たご本の紹介ページはこちら↓
http://www.msz.co.jp/book/detail/07839.html
さて、『管野スガ再考』について鈴木さんは、著者(関口氏)が「管野の「表象」として(略)世間で長らく流通してきた「妖婦」観」について」分析し、それはかつての愛人荒畑寒村が「はるか後年、自伝で「妖婦」観を披瀝し、固定化」されたものであり、妖婦としての管野スガという表象は「男性中心社会のスケープゴート」に他ならず、管野自身は「新婦人」の先駆けであったとする関口さんの管野スガ像に、「わたくしもまったく同感である」と共感を寄せてくださいました。
鈴木裕子さん、ありがとうございました。
今年も残すところもうわずか。
小社も明日で仕事納めですが、一年のしめくくりにうれしいニュースでした。