白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

朝日新聞夕刊で『翻訳がつくる日本語』紹介

2014年9月8日付朝日新聞夕刊の連載記事「英語をたどって」の第6回(刀祢館正明記者執筆)で、小社刊、中村桃子著『翻訳がつくる日本語』が紹介されました。

「なの弁」「だよ弁」って何なのよ、という見出しがついています。
「なの弁」「だよ弁」って何でしょうか。「外国人の発言を日本語に訳したときに現れる、フシギな言葉遣い」のことで、記者さんが考えた造語なのだそうです。
その典型例として映画「アナと雪の女王」のパンフレットの文が取り上げられています。
アナ役の女優さんのコメントの語尾は「〜あるわ、〜なの」と訳されているのに、日本語吹き替え版の神田沙也加さんのコメントは「〜です、〜ました」。そして男性俳優のコメントは「〜さ、〜だよ」と訳されているに、吹き替えのピエール瀧さんの語尾は「〜ました、〜ですね」と表記されている。「これって変じゃないか」と記者さんは言います。

これって変じゃないか。いや、そう思う私の感覚が変なのか。でも、「なの、のよ」「だよ、さ」を常用する人、まわりにいますか?
どうやら外国人専用の日本語があるらしい。関東学院大教授の中村桃子は著書「翻訳がつくる日本語」で、洋画の女優は「日本人も使わない女ことばを話す」と指摘する。

これはたしかに気になるんですよね。字幕や吹き替えの語尾ばかり気になって映画のストーリーが頭に入らなくなったという読者までおられるとか。
まだ気にならない方は、ぜひ『翻訳がつくる日本語』をご一読いただき、映画や翻訳小説の語尾チェックを楽しんでみてください。