白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

「出版ニュース」で『翻訳がつくる日本語』紹介

刊行以来、各誌紙で取り上げられ快進撃を続けている小社刊、中村桃子著『翻訳がつくる日本語』が、このたび「出版ニュース」10月下旬号の「Book Guide」欄でも取り上げられました。
該当箇所を引用します。

ハリー・ポッターシリーズに登場する女の子・ハーマイオニーは、「…わね、…の」といった典型的な女ことばを使っている。洋画のヒロインの吹き替えも同様だが、逆に男性は「やあ、ジョン。ぼくはマイケルさ」という男ことばをキザに気さくに話し、名作の黒人たちは方言で話す。本書は、これらの翻訳ことばの例から、言葉がアイデンティティを表現する時に利用する材料=言語資源とする考え方を紹介し、気さくな男ことばは〈お気軽な海外男性〉というアイデンティティを西洋男性に付与しており、これは東洋からの抵抗だと書き、翻訳が日本語に与える影響にも興味深い考察を行う。

出版ニュース」さん、ありがとうございました。
なお、ただいま『翻訳がつくる日本語』は重版中です。一部書店で品切れとなっているようですが、まもなく重版が出来上がります。乞うご期待。