白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

今度は北海道新聞だわ!―『翻訳がつくる日本語』紹介

ご評判をいただいている『翻訳がつくる日本語』(中村桃子著)、先日、九州のブロック紙西日本新聞で紹介されたばかりですが、今度は「道新」の愛称で親しまれている北海道新聞でも取り上げられました。
北海道新聞9月2日付の文化面に掲載の「@道新文化部」というコラムで竹田智記者が取り上げてくださいました。
コラムのタイトルは「テロリストだわ!」。

テロリストだわ!

キャリー  (死をも覚悟しているという相手に)ウソだわ。
ジール  想像もできないだろう。己より大きく尊いものを信じる力の強さを。私は戦う兵士だ。
キャリー  テロリストよ。(中略)
ジール  たとえ300年かかっても君たちを絶滅させる。
キャリー  ほらね。テロリストだわ。

これは米国のドラマ「ホームランド」の一場面の字幕だそうです。竹田記者はこれを引用して、CIA職員のキャリーとテロリストの黒幕ナジールが対決するかなり緊迫した場面なのに「テロリストと対峙して「―だわ」とは、拍子抜けする」と感想を記しています。これを話のマクラにして次のように『翻訳がつくる日本語』に言及しています。

洋画や海外ドラマの吹き替え、字幕に接し、「女言葉」に違和感を覚えることがある。しかも、今や当の日本人ですらあまり使わない言葉を外国人が話す不思議。
言葉の性差について詳しい中村桃子さんの近著「翻訳がつくる日本語」(白澤社)は、映画「風と共に去りぬ」の昔から半世紀以上続く特異な翻訳語について、鮮やかに現状を解き明かす。

ちなみにこの記事は次のようにしめくくられています。

言葉遣いをあげつらったけど、「ホームランド」は面白いわ。ぜひ見てほしいのよ。

実生活では滅多に使わないのに、つい「女言葉」を使ってしまいたくなるその気持ち、よくわかるわ。気になる人は『翻訳がつくる日本語』をぜひ読んでほしいのよ。