白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

『雑木林の決意』への読者からのお便り

先日刊行いたしました河原井純子(絵と文)『雑木林の決意』に読者の皆様から続々とお便りが寄せられております。
わざわざご感想をお寄せいただきありがとうございました。
そのうちの一部を紹介させていただきます。
まず、埼玉県の女性の方から。

絵本と説明は親しみやすくてよいですね。
判決文冒頭の説明も親切でよいです。
判決文もフリガナ付きだとなおよいです。
ぜひ「予防訴訟をひきつぐ会」でも、味噌づくりと憲法学習会を!

親しみやすいと評価していただき、ありがとうございました。
巻末に掲載した判決文にフリガナをというご提案をいただきましたが、紙幅の都合上、判決文を収録した頁の行間が狭く、また法律用語が多いため、フリガナをふるとかえって煩雑になり読みにくくなると判断しました。ご了承ください。
「味噌づくりと憲法学習会」が広がるといいですね。本書では青森県八戸での学習会の様子を紹介するとともに、手作り味噌の作り方も図解しています。
次に、宮城県の女性の方から。

ある茨城県の人が、「茨城県も被災地なんです。忘れないでください!」と涙ながらに言ったとき、健康情報研究センターのS氏が「忘れられたくなかったら闘うことです」と言いました。胸に刻みたい一言でした。
闘い続ける河原井さんに敬意を表します。
またひとつ、またひとつと闘わなければならないできごとが起き、エンドレスだと思うこのごろです。

これは東日本大震災後の一コマでしょうか。
小社も『死霊解脱物語聞書』(昨年刊)の取材のために茨城県を訪れた際、同地での東日本大震災の爪痕を見聞しました。
また宮城県津波による被害についても、現地の方からうかがい身の震えるような思いをいたしました。
忘れてはいけないこと、忘れさせてはいけないことがたくさんありますね。出版という仕事も忘却に対する闘いの一つだと考えてこれからも精進してまいります。
もう一つ、東京都の男性の方からのお便りから。

雑木林の素晴らしさを再認識しています。
子どものころ、花粉症など聞いたことはありませんでした。植物に責任はなく、単一種ばかり植えた人間による害なのではないでしょうか?
微力ながらいろいろな裁判を応援させてもらっています。
あきらめずに声をあげ続けている人が大勢いますね。

本書の著者、河原井さんは本書で、「社会は学校は雑木林でありたい/多種多様な雑木が/共生共存できる雑木林」と、さまざまな個性が共生する教育の場を雑木林にたとえています。
お手紙もこれを踏まえて画一的な教育行政の弊害を花粉症にたとえられたのだと気づき、思わずニヤリといたしました。
以上、いただいたお便りの一部を小社編集部の独断で抜粋・紹介させていただきました。
お便りをお寄せくださった皆様には、重ねて御礼を申し上げます。今後ともよろしくご愛読ください。