白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

「城北通信」をいただきました

先月刊行した『死霊解脱物語聞書』、お取り扱いくださっている書店さまでも読んでいただいているようです。

静岡市戸田書店城北店さんから書籍情報誌「城北通信3号」を送っていただきました。お忙しいなか、わざわざありがとうございました。
戸田書店城北店さんのブログはこちら↓
http://todajohoku.exblog.jp/
巻頭の特集記事は小社刊『死霊解脱物語聞書』の監修者・小二田誠二さんと、静岡市のあべの古書店店主で劇団水銀座座長でもある鈴木大治さんの対談「怪談は虚構?それとも事実?」です。
取材を担当された市原健太さんの司会、というか、ツッコミが効いていて、たいへん面白い読み物になっています。ちなみに小社の『死霊解脱物語聞書』の書影も掲載していただいています。
「城北通信3号」WEB版はこちら↓
https://skydrive.live.com/?cid=FB59A3C2EA8631BC&id=FB59A3C2EA8631BC%21210
この対談の「後記」として、市原さんが次のように書いておられるのも注目されます。

古書店の店主と大学の先生が江戸時代の本、十返舎一九滑稽本を新刊書店に勤めるぼくらの目の前で取引をしている。羨ましいというか、敵わない光景だ。また話の合間に「滑稽本」と「黄表紙」の違いなども実際の本を目の前に教えていただき僥倖。

小社も全員(といっても二人しかいませんが)新刊書店勤務経験がありますので、おおいに共感します。
ここで、十返舎一九なんて古い、と感じるか、すごい、羨ましい、と感じるか、本についての感度が問われる場面だと思います。
それにしてもこの「城北通信」はすごい。
対談の中で鈴木大治さんが触れた静岡の伝説「沼のばあさん」の話を巻末のコラムで詳しく紹介しているところなど、編集のセンスが光っています。この高木春佳さん執筆のコラム「沼のばあさん伝説」は参考文献や関連書籍も挙げられていて、地域の伝承をめぐる読書案内にもなっています。
ひとしきり感心したところで、「城北通信」の題字の下に次のような一文が添えられていたのに気づきました。

食べるように本を読む、聴くように本を読む。言葉が身体の一部になる。
つらいときも、うれしいときも、そこに本がありますように。

「そこに本がありますように」…、ほんとうにそう思います。
小社刊行物をご紹介いただいたことはもちろんうれしいことですが、それ以上に、本好きの書店員さんたちの心意気にふれることができて感激しました。
あらためて戸田書店城北店の皆様に篤く御礼申し上げます。「書店は地域文化の担い手」という言葉を思い出しつつ。