白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

『女性の権利を擁護する』が紹介されました

梅垣千尋著『女性の権利を擁護する──メアリ・ウルストンクラフトの挑戦』「ふぇみん」12/05発行の第2975号(2011年12月5日発行)の「書評」欄で紹介されました。
『ふぇみん』さんのサイトはこちら→http://www.jca.apc.org/femin/
以下、今週号の誌面から該当箇所を引用させてもらいます。

1792年フランス革命の衝撃が広がる英国で刊行された『女性の権利の擁護』は、フェミニズムの古典として今も読み継がれている。メアリ・ウルストンクラフトは、経済的に恵まれない名かで育ち自立をめざして苦学、著述家の仕事を得て、フランス革命の嵐の中『女性の権利の擁護』を書く。未婚の母となるなど生き方を含め当時の保守的な社会から激しく批判された(『獣の権利の擁護』というパロディ本が出版されたほど)が、数十年後に多くの評価を得ていった。
彼女は、男と女が相補関係にあるとしたルソーを批判。「結婚という奴隷制度」「女性は人を喜ばせる存在ではない」、欲望や評価の対象ではなく理性の主体として生きようと情熱的に呼びかける。本書の著者は性差論、マナー、信仰、権利をどう論じたかなどの切り口で『女性の権利…』を分析し、分かりやすく理解の手がかりを与える。
彼女の生涯を描いた映画があったらぜひみたいと思った。(衣)

『ふぇみん』さん、ご執筆の(衣)さん、ありがとうございました。
「彼女の生涯を描いた映画があったらぜひみたい」というのは、ほんとうに同感です。
娘のメアリ・ウルストンクラフト・シェリーの書いた『フランケンシュタイン』は何度も映画化されていますが、母メアリを描いた映画があるのか、残念ながら知りません。
激動の時代を駆け抜けるように生きた彼女の生涯は、きっと見ごたえのあるドラマになるでしょう。