白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

またも!『ケアの倫理からはじめる正義論』が紹介されました

キテイほか著『ケアの倫理からはじめる正義論──支えあう平等』が、『ふぇみん』第2970号(2011年10月15日発行)の「書評」欄で紹介されました。
『ふぇみん』さんのサイトはこちら→http://www.jca.apc.org/femin/
以下、今週号の誌面から該当箇所を引用させてもらいます。

長い差別の歴史を経て女たちは、参政権など制度面での平等は勝ち得てきた。しかし男女賃金格差は大きく、母子家庭の状況は厳しい。著者は女たちから「逃げていく平等」に哲学の面から取り組み、大著『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』を著わした。本書は哲学を根本から問う、その思想を読み説く。
重度の障碍をもつ娘を育てつつ研究を深めた著者は、ソクラテスからヘーゲルに至る政治哲学が、いかに成人男性健常者を中心に世界を捉えてきたかを悟る。自律する個人間の〈平等〉という前提が、いかに非現実的で、人間の存在に不可欠な〈依存〉という状態を無視したものかを論証し「どんな人でも、人生のある時期(幼児、高齢者として)誰かに世話されなければ生きていけない存在である」ことを出発点に、依存者やケアを担う人への社会的評価の変換が必要と指摘。依存とケアの本質に迫り、大震災後の社会を考える上でも、刺激的な示唆を与えてくれる。(恵)

『ふぇみん』さん、ご執筆の(恵)さん、ありがとうございました。
おかげさまで『ケアの倫理からはじめる正義論』、売れ行きもまずまず好調(当社比)です。
ちなみに『ふぇみん』には直近のイベント情報も掲載されていて便利です。
今週号掲載分から小社の著者がかかわっているものを抜き書きしてみます。

  • 10月16日(日)には『反・哲学入門』『殉教と殉国と信仰と』の著者、高橋哲哉さんの講演。

3.11後の戦争責任 13時半 講師 高橋哲哉 東京・中央大学駿河台記念館(御茶ノ水)800円 学生500円 主催 日本の戦争責任資料センター

震災があぶり出した貧困 反貧困世直し大集会 10時 リレートーク 12時45分分科会 15時シンポジウム パネリスト 竹信三恵子 宇都宮健児ほか 東京・法政大学市ヶ谷キャンパス外濠校舎(市ヶ谷)500円 手話通訳・要約筆記あり(分科会は一部) 主催 同集会実行

  • 10月22日(水)には河原井純子著『学校は雑木林』に解説を寄せていただいた斎藤貴男さんの講演。

東京の教育を変えよう!学校に自由と人権を! 18時15分 講師 斉藤貴男 報告 内田妙子ほか 東京・全電通会館(御茶ノ水)500円 主催「日の丸・君が代」不当解雇撤回を求める被解雇者の会ほか

ご関心のある方はお出かけください。