白澤社ブログ

人文社会系の書籍を刊行する小さな出版社です。

『マルクスの教育思想』、再び紹介

以前、西日本新聞でも紹介していただいた青柳宏幸著『マルクスの教育思想』が、このたび出版業界誌『出版ニュース』3月中旬号に紹介されました。
以下、同誌紹介記事より抜粋。

教育学者である著者は、マルクスが最晩年に執筆した『ゴーダ綱領批判』の〈少年時代からの生産的労働を教育と結合することは、今日の社会を変革するもっとも有効な手段〉という記述に注目し、マルクスは労働と教育の関係をどのように考えていたのかということをマルクスの思想的発展の跡を辿りながら検証する必要があると考えていた。本書はマルクスの学位請求論文まで遡り、そこに記された問題意識の根底にあるものが自然と人間との関係であったことや、『資本論』を仕上げる時期の英国での労働日の制限をめぐる闘争によって教育が社会変革に有効な手段となることを発見し、その後「精神教育」「身体教育」「技術教育」が重要だと考えるに至ったことを明らかにしている。